論説・視点

  • noimage[視点]日本における航空事故調査の問題点日本における航空事故調査の問題点                        航空安全推進連絡会議 本部事務局長/ボーイング777型機 現役機長 高橋 拓矢 国際標準から逸脱した日本の事故調査  当たり前の話ですが、航空機の中でも特に長距離を飛ぶ国際線の旅客機は、いくつもの国の上空を通過して目的地の空港に着陸します。そのため航...論説・視点2024年03月28日
  • noimage[視点]能登半島地震と志賀原発能登半島地震と志賀原発                        原子力資料情報室 上澤 千尋 ■24年能登半島地震による激しい揺れと地盤の隆起  2024年1月1日16時10分に能登半島の北東端の珠洲市を震源とするマグニチュード(M)7・6(震源の深さ16㎞)の地震が発生し、激しい揺れが奥能登を中心に北陸地方の広い範囲をお...論説・視点2024年03月18日
  • noimage[視点]医療事故調は責任追及のしくみではない-愛知県愛西市の事例から-医療事故調は責任追及の仕組みではない ―愛知県愛西市の事例から―                        日本医療法人協会常務理事・医療安全部会長 鹿児島県医療法人協会 会長 小田原  良治 ◆医療事故調査制度は「医療の内」の制度  医療事故調査制度は10年にわたる混迷の末に、2014年6月25日の医療法改正、2015年...論説・視点2024年02月26日
  • noimage[視点]人権としての「医療アクセス」と医療従事者の人権が保障される医療制度改革へ‐医療費抑制策からの転換‐人権としての「医療へのアクセス」と 医療従事者の人権が保障される医療制度改革へ -医療費抑制策からの転換-                        長野中央法律事務所 弁護士 村上 晃  2023年10月長野市で開催された第65回日本弁護士連合会人権擁護大会において、『人権としての「医療へのアクセス」の保障―新自由主義的医療...論説・視点2024年01月30日
  • noimage[視点]PFASへの曝露と健康リスク 求められる対策PFASへの曝露と健康リスク 求められる対策                        京都大学 大学院医学研究科環境衛生学分野 准教授  原田  浩二 地球全体に広がった「永遠の化学物質」  PFAS(フッ素化アルキル物質、per- and polyfluoroalkyl substances)は有機フッ素化合物のうち、...論説・視点2023年12月11日
  • noimage[視点]水俣病被害者の早期救済が強く求められている水俣病被害者の早期救済が強く求められている                        ノーモア・ミナマタ第2次国賠請求等熊本訴訟弁護団長/弁護士  園田  昭人  ノーモア・ミナマタ第2次国賠請求等近畿訴訟につき、大阪地裁は、2023年9月27日、原告128人全員の水俣病罹患を認め、チッソ、国及び熊本県に対し、損害賠償を命じました...論説・視点2023年11月21日
  • noimage[視点]現在の精神科病院の問題点~数多の人権侵害事案を生む構造的背景~現在の精神科病院の問題点 ~数多の人権侵害事案を生む構造的背景~                        日本社会事業大学名誉教授 古屋  龍太 1はじめに  精神科病院における入院患者への虐待事件が数多く報道されている。特定の病院における極めて例外的な問題と考えられがちであるが、残念ながらそうではない。患者の基本的な人...論説・視点2023年10月24日
  • noimage[視点]神宮外苑再開発の問題点について神宮外苑再開発の問題点について                        神宮外苑訴訟原告訴訟代理人 山下  幸夫  小池百合子東京都知事は、三井不動産株式会社、明治神宮、独立行政法人都市再生機構および同伊藤忠商事株式会社を事業者とする神宮外苑地区第一種市街地再開発事業についての個人施行を2023年2月17日に認可しました。これに...論説・視点2023年09月27日
  • noimage[視点]ALPS処理水の海洋放出がもたらすものALPS処理水の海洋放出がもたらすもの                        北海道がんセンター 名誉院長 西尾  正道   はじめに  2023年8月24日、福島第一原発の汚染水をALPSで可能な限り放射性物質を減量した処理水の海洋放出が開始された。  現在貯留している汚染水の放出には約30年かかると報じら...論説・視点2023年09月27日
  • noimage[視点]水道水汚染の脅威~PFAS調査阻む地位協定水道水汚染の脅威~PFAS調査阻む地位協定                        沖縄国際大学教授 前泊  博盛  瑞穂の国と呼ばれた日本の豊かな水源が米軍基地と自衛隊、そして行政によって静かにそして長期にわたって汚染され、国民の命を脅かし続けている。発がん性など多くの健康被害が指摘されるPFAS(=有機フッ素化合物の総称)汚...論説・視点2023年09月09日
  • noimage[視点]政府の学術会議法改定見送りと今後の課題 -「学術と政治」の関係を考える政府の学術会議法改定見送りと今後の課題 ―「学術と政治」の関係を考える―                        早稲田大学法学学術院 教授 岡田 正則 はじめに  2022年12月以来、政府は日本学術会議の会員選考に政府が関与できるようにするための法改正を準備してきたが、4月20日、岸田首相は法案提出断念の意思を表明し...論説・視点2023年08月03日
  • noimage[視点]入管法改悪反対!NO!の先にある社会②入管法改悪反対!NO!の先にある社会② 労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会へ                        移住者と連帯する全国ネットワーク 共同代表理事 鳥井  一平 偽装する政府、私たち、私たちの社会  政府の歪んだ移民政策は、具体的には、まず在留管理としては、2012年の外国人住民票の導入を経...論説・視点2023年07月26日
  • noimage[視点]入管法改悪反対!NO!の先にある社会①入管法改悪反対!NO!の先にある社会① 労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会へ                        移住者と連帯する全国ネットワーク 共同代表理事 鳥井  一平 入管法改悪NO! 国会前シットイン  4月14日の衆議院法務委員会での審議入り以来、国会前でのシットインを6月9日まで18回行った...論説・視点2023年07月06日
  • noimage[視点]多摩地域の有機フッ素化合物PFAS汚染に対する取り組み多摩地域の有機フッ素化合物PFAS汚染に対する取り組み                        健生会立川相互ふれあいクリニック 青木 克明 1.多摩地域の水のPFAS汚染  PFASと呼ばれる有機フッ素化合物は耐熱性、対薬性に優れておりコーティング材、泡消火器、半導体などに広く利用されてきた。しかし、分解されることなく、...論説・視点2023年06月30日
  • noimage[寄稿]マイナ保険証をもてない人たち 須田クリニック 須田 昭夫  医療を遠ざけるマイナ保険証  マイナ保険証を持てない人がたくさんいます。事情があってマイナカードを取得できない高齢者や障害者、DVから逃れて住所を隠すためにマイナカードを持てない人もいます。保険証は手続き不要で手に入りましたが、マイナ保険証は自分で役所に行って手続きしなければなりません。マイナカード本体...論説・視点2023年06月09日
  • noimage[視点]都立・公社病院がもたらしたもの都立・公社病院独法化がもたらしたもの                        都立病院機構労働組合 書記長 大利  英昭 短期・長期に分けて考える独法化の影響  独法化が都立・公社病院の医療提供にどのような影響を与えるのか。この問題を考えるには、独法化の影響を短期・長期に分けて考える必要があります。短期的な問題は、大阪府立...論説・視点2023年06月09日
  • noimage[視点]障害者が安心して65歳を迎えられる社会を障害者が安心して65歳を迎えられる社会を ~天海訴訟控訴審判決を受けて~                        天海訴訟弁護団 弁護士 坂本 千花 1.天海訴訟の経緯  千葉市に住む天海正克さんは、障害者総合支援法に基づく居宅介護サービスを利用して生活していたが、65歳になったことを機に、介護保険法による有償(月1万5...論説・視点2023年05月26日
  • noimage[視点]マイナンバー制度の危険な変質マイナンバー制度の危険な変質                        共通番号いらないネット 原田  富弘 政府も認める名寄せの危険性  2016年に始まったマイナンバー制度は、個人を識別特定する番号をつけて、個人情報を生涯追跡可能にし、分野を超えて照合可能にする社会基盤として作られました。   政府が半世紀にわたり...論説・視点2023年04月19日
  • 202303152a[視点]この国は福島原発事故から何を学んだのか いつまで国民を騙し続けるのかこの国は福島原発事故から何を学んだのか いつまで国民を騙し続けるのか 原発避難者群馬訴訟(元)原告 丹治  杉江    原発事故から12年。日本史上最大の放射能公害事件は無辜の民の人生を狂わせ、戦後最大の国内難民を生み、今も被災地域、多くの被災者に深い苦悩と分断をもたらし続けている。  人間には不安や苦しみを回避するため「忘れ...論説・視点2023年03月24日
  • noimage[視点]COP27とGXの問題COP27とGXの問題                        国際環境NGO FoE Japan 深草  亜悠美  2022年11月6日から18日まで、エジプトのシャルム・エル・シェイクで国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催された。  気候危機が加速している。2022年の夏には国土の三分の一もが水没...論説・視点2023年03月10日
  • noimage[視点]「日本における「家族主義」の経緯・現状・課題日本における「家族主義」の経緯・現状・課題                        東京大学大学院教育学研究科 教授 本田 由紀 「家族主義」の多義性  「家族主義」という言葉は多義的に用いられてきた。  筒井(2022)は、ケアの担い手と政府の支援の有無という観点から、①家族がケア等の社会的機能を多く担うが政府がそ...論説・視点2023年03月03日
  • noimage[視点]「戦後レジームからの脱却」が果たされる日「戦後レジームからの脱却」が果たされる日                        京都精華大学 准教授 白井  聡  ついにその時がやってきた、という感が強い。岸田文雄政権による大軍拡と新しい防衛三文書のことだ。  日本の戦後における最大の歴史的分岐点に、いま私たちは立っている。ここ数年のうちに、「戦後」は本当に終わるだろ...論説・視点2023年03月03日
  • noimage[視点]三権分立の崩壊 閣議決定による強権政治三権分立の崩壊 閣議決定による強権政治                        現代教育行政研究会 代表 前川 喜平 進む憲法破壊の動き  2022年12月16日に閣議決定されたいわゆる安保3文書の一つ「国家安全保障戦略」は、反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有することや防衛関連予算を2027年度にGDPの2%にすることを明言...論説・視点2023年02月08日
  • noimage[視点]円安問題と日本経済の展望円安問題と日本経済の展望                        群馬大学名誉教授 山田 博文   東京都区部の物価はじつに40年ぶりの高騰を記録しました。10大費目のうち、とくに光熱・水道といった公共料金の値上がりは、2022年11月の対前年度比で21・4%(うち都市ガス代金33%)と最高を記録しました。食料品も7%値上がりし...論説・視点2023年01月30日
  • noimage[視点]「医療DX」は医療の根底を崩壊させる「医療DX」は医療の根底を崩壊させる                        広報部長 岩田 俊   オン資義務化の真の目的は医療情報収集の基盤づくり  患者と医師の信頼関係の根源であり、ヒポクラテスの時代から世界中で医療の職業倫理とされてきた「守秘義務」が、わが国では今、音をなして崩れようとしている。  「骨...論説・視点2022年12月09日
  • noimageオンライン資格確認の原則義務化はキケン 須田クリニック 須田 昭夫  2016年にマイナンバー制度が始まったが、22年9月末でもマイナンバーカードの普及率は全人口の半数以下であった。マイナンバー法によればカードの取得は任意であるが、政府は全国民に持たせようとしている。21年10月からは健康保険証と一体化したマイナ保険証を本格導入した。  22年6月7日に閣議決定された「骨...論説・視点2022年11月07日
  • noimage[視点]コロナ禍における生活困窮者支援と課題コロナ禍における生活困窮者支援と課題                        つくろい東京ファンド 小林 美穂子   コロナ禍で行き場を失ったネットカフェ難民  新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年春、私はそれまで火曜と木曜に営業していたカフェ潮の路を閉じた。店内は狭く、「密が売り」だった上に、常連客には...論説・視点2022年11月04日
  • noimage[視点]医薬品供給不足問題について考える医薬品供給不足問題について考える                        一般社団法人 大阪ファルマプラン理事長/薬剤師 廣田 憲威    日医工と小林化工の薬機法違反に端を発する医薬品の不安定供給は、世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミックも追い打ちをかけ、事件が発覚した2020年4月から丸2年が経過しても今なお混...論説・視点2022年10月28日
  • noimage[寄稿]奉仕と説明の落差 安倍氏を追悼する 須田クリニック 須田 昭夫  英国のエリザベス女王が9月8日に薨去された。女王在位70年、96歳という御高齢であったが、紡いできた歴史には感慨もひとしおの感がある。2日前には新首相トラス氏を首相に任命する儀式を、無事に執り行っていたということにも、畏敬の念を抱かざるを得ない。世界各国からは追悼の言葉が寄せられた。女王はhead of st...論説・視点2022年10月08日
  • noimage[視点]東京五輪・パラリンピック -組織委の闇-東京五輪・パラリンピック-組織委の闇―                        本間 龍(ノンフィクション作家)    遂に五輪利権に捜査のメス一大疑獄事件に発展か  8月16日の高橋治之元東京五輪組織委理事やスポンサーだったAOKI元会長らの逮捕以降、五輪関係者はもとよりJOC(日本オリンピック委員会)および、彼の...論説・視点2022年10月07日
  • 吉田先生(顔写真)[寄稿]オンライン資格確認 「義務化」に如何に対応すべきかオンライン資格確認「義務化」に如何に対応すべきか 政策調査部長 吉田 章    2022年8月10日、中医協総会で医療機関の根幹を揺るがしかねない答申が行われた。  オンライン資格確認システム導入を2023年4月から義務化し、その規定を盛り込むために療養担当規則を改定するという。  療養担当規則は、保険医として診療...論説・視点2022年10月04日
  • noimage[視点]種子法廃止、種苗法改定が日本の食にもたらす影響種子法廃止、種苗法改定が日本の食にもたらす影響                       東京大学大学院 教授  鈴木 宣弘    種をめぐる一連の制度改変が我々の食にもたらす影響が、コロナ禍とウクライナ紛争で、さらにクローズアップされている。 コロナ禍とウクライナ紛争で露呈した種の脆弱性  野菜の自給率は80%と...論説・視点2022年09月16日
  • noimage[視点]オンライン資格確認義務化 保険証廃止の問題点オンライン資格確認義務化 保険証廃止の問題点                       東京合同法律事務所 弁護士  瀬川 宏貴   「骨太方針」2022  2022年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)は、①オンライン資格確認の導入を2023年4月から保険医療機関・薬局に原...論説・視点2022年08月05日
  • noimage[視点]10兆円大学ファンドの問題点10兆円大学ファンドの問題点                       静岡大学 人文社会科学部 教授  鳥畑 与一    ◆「国際卓越大学」ファンド 24年から運用開始  10兆円規模の大学ファンドの運用益(上限3000億円)を、わずか数大学に配分することで「世界に伍する研究大学」を目指す「国際卓越研究大学支援法」が5...論説・視点2022年07月22日
  • 2022-06-11162410[視点]東京外環道路の工事中止を求めて-大深度地下使用法は廃止を-東京外環道路の工事中止を求めて-大深度地下使用法は廃止を- 東京外環道訴訟を支える会 池田 あすえ   平穏な住宅街の地下に直径16mの巨大マシン侵入  2020年10月、東京都調布市の閑静な住宅地で起きた陥没・空洞・地盤沈下・家屋損傷は、真下を掘っているトンネル工事が原因でした。その数カ月前から住民達は振動・騒音・低周波音に悩...論説・視点2022年06月11日
  • noimage【視点】専守防衛と敵基地攻撃能力 ロシアのウクライナ侵攻から何を学ぶか?専守防衛と敵基地攻撃能力 ロシアのウクライナ侵攻から何を学ぶか?                       慶應義塾大学名誉教授・弁護士 小林  節   1 護憲派にとって悩ましい現実  1945年に敗戦を体験した日本は、心を入れ替えて、「非戦の誓い」(憲法9条)を立てて、今日まで平和で来れた。しかし、それは一種の虚構(...論説・視点2022年06月10日
  • han[視点]テロ・戦争時の原発の危険性テロ・戦争時の原発の危険性                       原子力資料情報室 共同代表 伴  英幸   ウクライナ侵略という暴挙 民間人の犠牲広がる  2月24日にプーチン大統領は突如としてウクライナ侵攻という暴挙に出た。彼の目論見を超えて戦闘は長期化し、民間人を含む無差別攻撃へと質・量ともにエスカレートしてい...論説・視点2022年05月14日
  • 宣材写真[視点]電子的保健医療情報活用加算に見る「アメとムチ」電子的保険医療情報活用加算に見る「アメとムチ」                       城北法律事務所 弁護士 片木  翔一郎   1オンライン資格確認と活用加算の導入状況  2021年10月からマイナンバーカードを用いたオンライン資格確認が本格運用されていますが、2022年1月時点で、オンライン資格確認等システムの運...論説・視点2022年04月15日
  • 20220409SS00001[視点]「乳腺外科医裁判 最高裁判決を受けて」乳腺外科医裁判 最高裁判決を受けて                 乳腺外科医裁判弁護団/駒込たつき法律事務所 弁護士 水谷 渉    2022年2月18日、最高裁は高等裁判所の有罪判決を否定し、高等裁判所に差し戻して審理を命じる判決を言い渡しました(経過については、表1をご参照ください)。   最高裁は、判決に先立って口頭弁論...論説・視点2022年04月09日
  • noimage[視点]沖縄の米軍基地と新型コロナウイルス感染症沖縄の米軍基地と新型コロナウイルス感染症                       沖縄県保険医協会理事 仲里  尚実   米軍基地から「染み出した」オミクロン株  毎日のマスコミ報道で驚異的なオミクロン株コロナの数字が発表される。私のこの小文の数字は10日後の2月5日には全く変わっているだろう。   新型コロナの...論説・視点2022年03月02日
  • noimage[視点]国保料値上げと国民皆保険の危機国保料値上げと国民皆保険の危機                       東北福祉大学総合福祉学部准教授 佐藤  英仁   1広域化され間もなく4年  2015年5月、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が成立した。これにより2018年4月から市町村単位で運営されていた国民健康保...論説・視点2022年02月10日
  • noimage[視点]デジタル庁は何を狙っているかデジタル庁は何を狙っているか                       共通番号いらないネット 原田  富弘   異例の官庁=デジタル庁はなぜ作られたか  9月1日に発足したデジタル庁は、総理大臣直轄で他の省庁に勧告権があり、行政情報システムと関連予算を一括管理する強い権限を持つ異例の官庁です。また事務次官相当のデジタル...論説・視点2021年11月08日
  • noimage[視点]憲法から見た人権と感染症対策 「緊急事態条項」など必要ない憲法から見た人権と感染症対策 「緊急事態条項」など必要ない                       慶應義塾大学名誉教授・弁護士 小林  節   1.自民党が提案している「緊急事態条項」案  2012年に自民党は憲法の全文にわたる改憲草案を党議決定し公表した。その中の緊急事態条項の新設案は、大要、次のものである。まず、...論説・視点2021年10月13日
  • ★須田先生写真(モノクロ)[視点]新型コロナ感染症の由来と対応新型コロナ感染症の由来と対応                       須田クリニック 須田  昭夫    新型コロナウイルス感染症発生から世界的流行へ  21世紀に入ってからの20年間、地球には毎年のように新しいウイルス感染症が現れ、話題を呼んできた。SARS、MERS、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、ジカ熱、など...論説・視点2021年10月12日
  • noimage[視点]外国人が「ともに生きる仲間」となる日本社会とは外国人が「ともに生きる仲間」となる日本社会とは                       田中 宏(一橋大学名誉教授)    1960年代初め、私はアジアからの留学生受け入れの民間団体にいた。ある時、南ベトナムからの留学生はこう切り出した。「日本人は字で書く時は外の国の人=外国人と書くけれど、内心では日本に害になる人=害国人と...論説・視点2021年10月09日
  • 関島先生の写真[視点]リニア中央新幹線工事がもたらすものリニア中央新幹線工事がもたらすもの                       ストップ・リニア新幹線訴訟 弁護団共同代表 弁護士 関島  保雄   1 リニア中央新幹線計画の概要  リニア中央新幹線(以下「リニア新幹線」)は、JR東海が、民間事業として建設する鉄道事業である。超電導磁気浮上式により、時速505㎞で、東京・...論説・視点2021年08月11日
  • 20210720SS00003[視点]医療へのつながりをとざす入管 ~外国人収容所シンドロームの病態~医療へのつながりをとざす入管 ~外国人収容所シンドロームの病態~                       港町診療所 山村  淳平   入管がウィシュマさんを医療につなげなかった理由  2021年3月6日、名古屋の入管収容施設(外国人収容所)に収容されていたスリランカ人ウィシュマさん(33歳女性)は、かえらぬ人となっ...論説・視点2021年07月20日
  • 2018週プレ1_1「視点」東京五輪と社会 政府と電通、大手メディアの「開催絶対」スクラム東京五輪と社会 政府と電通、大手メディアの「絶対開催」スクラム                       本間 龍(ノンフィクション作家)   完全に政争の具と化した東京五輪  各種世論調査での五輪開催反対(延期を含む)が約6割になっているのに、政府は東京五輪開催を強行しようとしている。多くの研究者や医療関係者が感染拡...論説・視点2021年07月09日
  • 根岸先生[寄稿]公立・公的病院を守れ公立・公的病院を守れ 東京保健生活協同組合蔵前協立診療所 所長 根岸  京田 民間病院バッシングは国の責任逃れ  このコロナ禍を経験する中で公的病院の役割の重要性を感じなかった国民はいないだろう。  新型コロナウイルス感染症の流行初期の、未だ病態が明らかでなかった頃の感染患者対応、流行拡大期における感染症病床の拡充、さら...論説・視点2021年07月09日
  • 伴氏[視点]福島第一原発処理水海洋放出の危険性福島第一原発 処理水海洋放出の危険性                       原子力資料情報室 共同代表 伴  英幸   漁業団体との約束を反故にする「海洋放出」強行  菅義偉内閣は福島第一原発で貯蔵されている処理水(以下、汚染水)を海洋放出する方針を4月13日に閣議決定した。  漁業者団体側は海洋放出に反対の...論説・視点2021年07月08日
  • Tanaka・Tetsuji[視点]グローバル・タックスと税制の新潮流、日本の課税制度の課題グローバル・タックスと税制の新潮流、日本の課税制度の課題                       グローバル連帯税フォーラム・代表理事 田中 徹二   ●はじめに  新型コロナウイルス(以下、コロナ)は依然として猛威を振るい、日本でも東京などで3度目の緊急事態宣言が出されています(5月20日現在)。世界ではコロナ対策の...論説・視点2021年06月12日
  • Photo_Shibuya[視点]新型コロナウイルス感染症の現状と対策 ~イギリスの経験に学ぶ~新型コロナウイルス感染症の現状と対策~イギリスの経験に学ぶ~                       キングス・カレッジ・ロンドン 教授 渋谷 健司   20年冬の英国の失敗と日本  感染力が従来の約1・7倍という新型コロナウイルスの変異株により大きな被害を受けたイギリスだが、5月9日には1日の新規感染者が1770人、...論説・視点2021年06月11日
  • 吉田先生(顔写真)[寄稿]オンライン資格確認未対応で患者にマイナンバーカードを提示されたらオンライン資格確認未対応で患者にマイナンバーカードを提示されたら 政策調査部長 吉田 章  まず、確認しておきたいことは、マイナンバーカードによる保険証資格のオンライン確認については医療機関に義務として課せられていないということです。現在、保険証は相変わらず発行されていますし、保険証での資格確認が無くなるわけでもありません。 ...論説・視点2021年06月11日
  • 冨田真平弁護士[視点]生活保護基準引き下げ違憲訴訟大阪地裁判決の意義と課題生活保護基準引き下げ違憲訴訟 大阪地裁判決の意義と課題                       きづがわ共同法律事務所 弁護士 冨田 真平   1 はじめに  2021年2月22日、大阪地方裁判所第2民事部(森鍵一裁判長)は、2013年から2015年にかけて段階的に行われた史上最大(平均6・5%、最大10%、総額670...論説・視点2021年06月11日
  • 2018 飯田写真[視点]再生可能エネルギーへの転換を進めるために再生可能エネルギーへの転換を進めるために                       環境エネルギー政策研究所 所長 飯田 哲也    今年は福島第一原発事故(3・11)から10年が経過した。この10年で世界は再生可能エネルギーの飛躍的な拡大が進み、大転換しつつある。ところが日本だけは、その大転換に背を向けて、停滞している。 ...論説・視点2021年05月13日
  • 1607消夏号座談会から寄稿 新型コロナワクチンの特許料免除の要請新型コロナワクチンの特許料免除の要請 須田 昭夫(新宿区・須田クリニック)  WTOのオコンジョイウェアラ事務局長は3月9日、発展途上国で新型コロナワクチンの生産をすすめる緊急措置を呼び掛けた。同氏はナイジェリアの元財務相で、最近まで発展途上国のワクチン普及を目指す国際組織「Gaviワクチンアライアンス」の理事長を務めていた。特許権...論説・視点2021年05月07日
  • _DSF0805[視点]デジタル改革関連法案の目的と危険性デジタル改革関連法案の目的と危険性                       東京南部法律事務所 弁護士 大住 広太   1デジタル監視法案の目的  菅内閣が目玉政策として掲げるデジタル化を強力に推し進めるデジタル改革関連6法案(デジタル監視法案)が国会で審議されています。  デジタル社会形成基本法案第1条に「デジ...論説・視点2021年05月07日
  • IMG_3081[視点]日本のジェンダーギャップと女性の貧困日本のジェンダーギャップと女性の貧困                       ソーシャルワーカー/KAKECOMI代表 鴻巣 麻里香     失業女性に立ちはだかる高い壁―再就職、生保申請  「ないんですね、仕事。本当にないんだ」  意気消沈して、彼女はそう言った。フリーランスのソーシャルワーカーとして活動する...論説・視点2021年04月10日
  • 20210309SS00001[視点]コロナ禍での青少年の自殺を考えるコロナ禍での青少年の自殺を考える                       中央大学人文科学研究所 客員研究員 髙橋 聡美  ■コロナ禍における青少年の自殺者数  2006年に自殺対策基本法が制定され、10数年の間で3万人台だった自殺者数は2万人台にまで減少する中、青少年の自殺者数はここ数年増え続けており、1989年10万人に...論説・視点2021年03月09日
  • [視点]保健所機能の回復を~公衆衛生は国民の権利~保健所機能の回復を~公衆衛生は国民の権利~                       元東京都保健師 佐久間 京子     1はじめに  私は、東京都の保健所で26年働き、2009年には感染症対策係の保健師として、新型インフルエンザの対策業務に従事しました。2013年に東京都を退職しましたが、今回の新型コロナウイルスの...論説・視点2021年01月29日
  • 20201126SS00001[視点]コロナ禍は米社会の分断を終わらせるか?コロナ禍は米社会の分断を終わらせるか?                       京都精華大学 人文学部 総合人文学科専任講師 白井 聡     米国のコロナ対応失敗が物語るもの  この原稿を書いている今日(2020年11月3日)は、米大統領選挙の投票日だ。「ドナルド・トランプ氏は敗北を絶対に認めないのではないか」、「...論説・視点2020年11月26日
  • 大桃先生[特別寄稿]新型コロナウイルス受け入れ 最前線からの報告   新型コロナウイルス受け入れ 最前線からの報告  医)直和会 平成立石病院 地域救急医療センター 大桃 丈知  新型コロナウイルス感染症は、今もなお医療業界だけでなく日本経済全体に大きな影を落としている。  思い返すと2019年12月の時点では、まだ対岸の火事だった。当法人は1月末に中国武漢から帰国した邦人の一...論説・視点2020年11月11日
  • 1607消夏号座談会から[寄稿]原爆と非人道的な政治原爆と非人道的な政治 須田 昭夫(新宿区・須田クリニック)  「広島と長崎への原爆投下は、第2次世界大戦の終結を早め、多くの米兵らの命を救った」とする通説がある。しかし「米国の指導者たちは、原爆を投下する必要がないことを知っていた」とする寄稿が、8月5日の米紙ロサンゼルスタイムズに掲載された。  寄稿は歴史家のガー・アロペロビ...論説・視点2020年10月07日
  • 20200925SS00001[視点]無症状感染者と感染症法改正無症状感染者と感染症法改正                       NPO法人医療ガバナンス研究所 理事長 上 昌広  厚労省が感染症法の見直しを進めている。本稿では、その問題点を指摘し、あるべき見直しについて議論したい。 5類への引き下げは公的責任の放棄につながる  厚労省が取りかかったのは、新型コロナウイルス(以下...論説・視点2020年09月25日
  • 川口有美子様写真[視点]京都ALS患者の嘱託殺人事件で思い出したこと京都ALS患者の嘱託殺人事件で思い出したこと NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会 副理事長 川口 有美子 医学的判断と主観境界線はどこに  京都在住のALS患者、林優里さんが医師による嘱託殺人で亡くなっていた。その事件をきっかけに、安楽死合法化を求める声が一部で高まりをみせている。  林さんに死...論説・視点2020年09月24日
  • 20200825SS00001[視点]特養あずみの里裁判 控訴審のもうひとつの争点特養あずみの里裁判 控訴審のもうひとつの争点                       特養「あずみの里」業務上過失致死事件裁判 弁護団/駒込たつき法律事務所  弁護士 水谷 渉 ①裁判経過―控訴審逆転無罪―  長野県安曇野市の特養あずみの里で、准看護師(50代)が、2013年12月12日の午後3時のおやつの時間に、ゼリーと...論説・視点2020年08月25日
  • kitou[視点]待ったなしの気候変動~猛暑・強雨、生活への影響~待ったなしの気候変動~猛暑・強雨、生活への影響~                       鬼頭 昭雄(一般財団法人気象業務支援センター) ①はじめに  2018年7月の日本は記録的な猛暑に襲われた。特に東日本の月平均気温は平年より2・8℃高く、統計開始以来第1位だった。工業化以降の人為起源による二酸化炭素などの温室効果ガスの...論説・視点2020年08月06日
  • [寄稿]新型コロナ感染者 自宅療養の不思議新型コロナ感染者 自宅療養の不思議 吉田 章(練馬区・よしだ内科クリニック)        新型コロナ感染者数がまた増え始めている。緊急事態宣言解除後その傾向は強まったが、解除前も一定数は出ていた。新型コロナ感染症は指定感染症に指定されたため、当初感染判明者は全員入院していたが、入院ベッドが不足し、3月半ばから無症状、軽症...論説・視点2020年08月06日
  • 都議会議事堂2020年都知事選 いのちを守る一票を 医療提供体制の拡充を  新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の拡大により、パンデミック発生時の対策が脆弱であり、感染症患者を受け入れるための病床や人員が圧倒的に不足するなど、東京都においても医療提供体制の不備が次々と明らかになった。  国が進めてきた地域医療構想と病床削減を進める医療費削減政策は、コロナ禍で全面的な見直しを迫...論説・視点2020年07月02日
  • 180624_SSS_0047_(1)[視点]日本ではPCR検査がなぜ進まないのか日本ではPCR検査がなぜ進まないのか                       NPO法人医療ガバナンス研究所 理事長 上 昌広 新型コロナ「抑え込み」 日本はアジアでは劣等生  新型コロナウイルスの第一波が収束し、世界各国が検証作業を続けている。安倍首相は「わが国の人口当たりの感染者数や死亡者数は、G7(主要7カ国)、主要先...論説・視点2020年07月02日
  • 竹内真弓先生[寄稿]診察は新型コロナ対応で変化するのか診察は新型コロナ対応で変化するのか 東京都立多摩総合精神保健福祉センター  精神科医  竹内 真弓        今年4月10日から新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての時限措置として、初診時においても情報通信機器(電話等)を用いた診療が可能となった。  筆者は精神科医であり身体診察は主ではないため、精神科診察と...論説・視点2020年07月02日
  • [寄稿]検察庁法の改定は三権分立の破壊検察庁法の改定は三権分立の破壊 須田 昭夫(新宿区・須田クリニック)        東京高検の黒川弘務前検事長は本年2月8日、定年の63歳に達したが、その後も退官せず現職にとどまっていた。検察庁法は定年を63歳と定めており、延長の規定はなく、異常な事態となっていた。なぜこのようなことが起こったのか。  安倍内閣は本年...論説・視点2020年07月02日
  • [寄稿]パンデミックに強い地球にしようパンデミックに強い地球にしよう 須田 昭夫(新宿区・須田クリニック)        7都府県に緊急事態宣言が発せられた4月7日以降、自粛要請に応じた中小事業者、団体は、経験したことのない深刻な売上の減少に苦しんでいます。日本の企業の99%以上は中小企業です。休業して売上がなくても、家賃などの固定費として、最低でも40万円前...論説・視点2020年07月01日
  • iwata[視点]新型コロナウイルス感染の広がりを把握しない行政の不作為新型コロナウイルス感染の広がりを把握しない行政の不作為                       はたがやメンタルクリニック 岩田 俊  新型コロナ蔓延は隣国のようには収まらない  隣国、韓国では一定の成果を上げている新型コロナ感染症の制圧ですが、わが国では未だ感染の蔓延がとどまりそうにありません。その被害は医療関係者を直撃し...論説・視点2020年06月02日
  • [寄稿]新興・再興感染症のリスクが高まった―地球温暖化がもたらす危険―新興・再興感染症のリスクが高まった―地球温暖化がもたらす危険― 須田 昭夫(新宿区・須田クリニック)      世界保健機関(WHO)は2月中旬、今回のCOVID―19の自然宿主は蝙蝠(コウモリ)である可能性が高いと発表した。蝙蝠を食べたり、蝙蝠と接触した動物からの感染も、考えられている。  蝙蝠は、2010年代のエボラ出...論説・視点2020年05月13日
  • torihata[視点]新型コロナウイルス拡大で露わになったIRカジノの終焉新型コロナウイルス拡大で露わになったIRカジノの終焉                       静岡大学 人文社会科学部 教授 鳥畑 与一   新型コロナウイルス感染防止のため、いわゆる「不要不急」の経済活動停止による社会的隔離(ソーシャル・ディスタンス)が世界中で広がっています。パチンコ・パチスロが「優遇」された日本とは異なり海外...論説・視点2020年05月12日
  • kimuraaa【視点】原発事故から9年を迎えた福島のいま原発事故から9年を迎えた福島のいま                       獨協医科大学 国際疫学研究室福島分室長 木村 真三     今回は環境と人の2部構成で福島の「いま」をお伝えいたします。 台風19号による再汚染  2019年10月12日の台風19号は、全国に甚大な被害をもたらしました。特に福島県では、阿武隈...論説・視点2020年04月02日
  • 【視点】保険証のオンライン資格確認を食い止めよう保険証のオンライン資格確認を食い止めよう 東京保険医協会 副会長 吉田 章   はじめに  マイナンバーカードを使い、保険証資格確認をオンラインで行う制度が2021年3月から始まろうとしています。この制度が施行されれば患者側にも医療側にも多大な負担がかかると予想されます。  まず保険者は被保険者番号を個人単位化し、マイナンバー...論説・視点2020年03月05日
  • 【視点】都立・公社病院の「独法化」は医療の後退につながる都立・公社病院の「独法化」は医療の後退につながる 都立病院の充実を求める連絡会 代表委員 氏家 祥夫   都立、公社14病院の「独法化」を突然発表  2019年9月26日に厚労省は、全国の公立・公的病院424病院を「再編・統合の議論が必要」として実名で公表しました。東京でも難病患者の治療を行う都立神経病院、島で唯一の国保町立八丈病院...論説・視点2020年02月08日
  • 【視点】羽田空港新着陸ルートの危険性羽田空港新着陸ルートの危険性 元日本航空(JAL)機長/航空評論家 杉江 弘  2020年3月末の夏ダイヤから羽田空港への着陸に都心上空を飛行する新ルートが採用されます。  国土交通省(国交省)の説明では、南風時の15時から19時の間の3時間、都心上空を経由して北から進入着陸する方式を導入するとしています。その理由は、海外からの訪日旅...論説・視点2020年02月05日
  • 【寄稿】五輪大会は安全を目指せ五輪大会は安全を目指せ 政策調査部長 須田 昭夫    国際オリンピック委員会(IOC)は、巨額の放映権料を得られる期間を考慮して、2020年の競技を7月15日からの開催と決定し、この期間に合わせた会場探しが行われた。東京都は「東京の夏は温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる、理想的な気候」と謳って五輪を誘致した。...論説・視点2019年12月27日
  • 【視点】憲法とは何か 長谷部恭男・早稲田大学大学院教授は、2015年6月4日の衆議院憲法審査会で参考人として発言し、「安全保障関連法案」に対し憲法違反の見解を示した。今回、憲法とは何のためにあり、何を規定しているのかをテーマに寄稿をお願いした。 憲法とは何か 早稲田大学 大学院法務研究科 教授 長谷部 恭男  憲法は法律の一種ですが、普通の法律とは違...論説・視点2019年12月16日
  • 【視点】「信用スコアリング」は社会を損なう「信用スコアリング」は社会を損なう 政策調査部長 須田 昭夫  インターネットを通じて情報・モノ・サービスが行き交う陰には、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなどの、IT企業がある。これらの企業は通信販売、会員制交流サイト、音楽や映像の配信、情報検索などの、「基盤」提供者(プラットフォーマー)と呼ばれている。インターネットを利用す...論説・視点2019年10月02日
  • 【視点】薬価の闇と費用対効果加算薬価の闇と費用対効果加算 政策調査部長 須田 昭夫    超高額な医薬品が注目されている。「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる抗がん剤の高価格には驚いたが、同様の薬剤が次々と発売される可能性がある。不道徳といえるほどの高価格は、健康保険制度を崩壊させる恐れがある。日本の医療費に占める薬剤費は、約30%におよぶ高水準である。薬剤費の...論説・視点2019年09月11日
  • 【視点】憲法とは何か ―改憲に反対する理由―   慶應義塾大学名誉教授・弁護士  小林 節   1.「憲法」とは何か?  六法全書の「六法」とは、憲法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法のことで、国の基本六法典(法域)のことである。 民法は私人間の取引を規律する法で、その領域で特に会社間の取引だけは商法が規律する。それらの領域で裁判沙汰が...論説・視点2019年07月30日
  • 【視点】医師のみに過労死ラインの2倍を容認! ―憲法理念に反する厚労省検討会報告書― 全国医師ユニオン代表 植山 直人 はじめに  さる3月28日に厚労省の「働き方改革に関する検討会」が報告書を出したが、その内容は一部の医師に、過労死ラインの約2倍の1860時間の時間外労働を認めるものであった。これは、医師の健康と医療安全を無視するだけでなく憲法理念を無視する暴挙と言える。 ...論説・視点2019年06月17日
  • 【視点】刑事司法の過剰介入は介護現場に何をもたらすか―特養あずみの里裁判の場合― 今井 恭平(ジャーナリスト)  さる3月25日、長野地方裁判所松本支部において、「業務上過失致死」事件裁判の判決が言い渡された。「被告人を罰金20万円に処する」野澤晃一裁判長が主文を読み上げると、傍聴席を埋めた人たちから、失望と憤りの嘆息がいっせいに漏れた。  特別養護老人ホームで起きた入所者の急変・死亡...論説・視点2019年06月06日
  • senmou1【視点】術後せん妄―その予防と対策平  俊浩(広島県/福山市民病院 精神科・精神腫瘍科)  社会の高齢化とともに、侵襲の高い手術の周術期をいかに安全に管理していくかが活発に議論されるようになっており、麻酔科と歯科口腔外科医師、薬剤師と手術室看護師が入院前から患者のリスク因子に対する介入を行う周術期管理チームが多くの病院に導入されるようになってきている。  当院ではせん妄の減...論説・視点2019年06月05日
  • 【視点】「我が事・丸ごと地域共生社会」と富山型デイサービス東京保険医協会 政策調査部長 須田 昭夫 ▪ 人権としての生存権  近代市民革命によって市民が国家の主役となってから、国家が市民生活に干渉しないように憲法が作られた。その後、産業革命によって経済規模が拡大し、巨大資本が現れた結果、貧富の格差が拡大して、個人の努力だけでは解決しきれない状況が注目された。生きることもままならない状況を救済す...論説・視点2019年05月30日
  • 【視点】マイナンバーカード、保険証利用の罠東京保険医協会副会長 吉田 章  マイナンバーカードの保険証利用を可能にする保険証のオンライン資格確認システムの導入と、このシステムに基づいた各種医療情報の集積・利用の計画が進められています。 Ⅰ オンライン資格確認システムの概要  このシステムの概要は以下の通りです。 ①現在は世帯単位の保険証番号を個人単位化する。 ②保...論説・視点2019年05月23日
  • 【視点】県民投票に思う民主主義はたたかわないと勝ち取れない 沖縄県保険医協会 会長 仲里 尚実  昨年の県知事選に引き続き、今年2月の県民投票でも、全国の保険医協会の皆さんから多大な人的・物的なご援助をいただき心から感謝いたします。  正直に告白しますと、昨年「辺野古新基地建設(辺野古の海の埋め立て)の是非についての県民投票」が提起された時、私は「なぜ...論説・視点2019年05月16日
  • 190305_shiten_gra1【視点】国際的な原発産業は凋落の一途 国際環境NGO FoE Japan(深草 亜悠美) 日立が英・原発輸出凍結を  正式決定 1月17日、日立製作所は臨時取締役会で、同社が英国・ウェールズで進めていた原発建設事業の凍結を決定した。日立の完全子会社ホライズン・ニュークリア・パワー社が、ウェールズ北部のアングルシー島に原発を2基建設する予定であった。 日立製作所は予てか...論説・視点2019年03月14日
  • 190215_01_医師偏在指標2020年度から 「外来医師多数区域」での開業に新ルール東京保険医協会 政策調査部長 須田 昭夫 「医師偏在指標」などで振り分けても、医療機能は均等に分布しない OECDの統計によれば2016年、日本の医師数は約30万人であるが、人口当たりの医師数をOECD諸国並みにするには、10万人以上も不足している。 しかも日本では高齢の医師が働き続けており、勤務医の約10%は、当直を除外しても年間1,9...解説論説・視点2019年03月13日
  • 190205_図1 九州電力の出力調整(10/21)【視点】再生可能エネルギー電力を活用しないのはもったいない国立研究開発法人 産業技術総合研究所  歌川 学 日本は多様で豊富な再生可能エネルギー資源(以下、再エネ)があり、現在の電力消費量の何倍もの再エネ電力の可能性がある。固定価格買取制度導入後増加したが2017年実績で再エネ電力は電力量の16%である。 九州電力は九州本島で初めて9回の太陽光・風力発電の出力抑制を行った。日本の優先給電・送電網受...論説・視点2019年02月05日
  • 【視点】都条例と改正健康増進法の限界東京保険医協会理事 奈良岡 美惠子 ~受動喫煙防止と世界水準を考える~   ●はじめに  タバコはマヤ文明の宗教的儀式で使われていました。神から民へ、その中毒性ゆえ人種をこえ世界に拡散されていきました。英国では90年も前から禁煙にとり組みました。日本はまだ条件付き受動喫煙防止レベルです。それでも一歩進んだことは評価したいと思います。...論説・視点2018年12月07日
  • 【視点】高齢社会の財産問題を考える東京保険医協会・理事 広報部 櫻井 正美 高齢者資産・政府の狙い  フィナンシャル・ジトロジェロンーとは  「金融老年学」と訳されている。すでに米国で始まっているからだ。もともとは金融庁の「金融行政方針」(2017.11)において、初めて公的語として使用されたのが始まりとされている。  同方針は、「高齢投資家の保護については、こ...論説・視点2018年12月06日
  • 【視点】医療法・医師法改正の問題点東京保険医協会副会長 須田 昭夫 力づくの医師派遣で、失うものはないだろうか 地域医療に必要な医師を確保するためという、医療法・医師法改正案が2018年7月、衆議院で可決され、成立した。都道府県は日本専門医機構や大学等と連携して医師の配置を調整する権限を与えられ、「医師確保計画」をつくり、「地域医療対策協議会」を強化する「地域医療支援事務」...論説・視点2018年12月05日
  • 【視点】民営化では水道事業の公共性を守ることはできないアクアスフィア・水教育研究所代表 橋本 淳司 武蔵野大学非常勤講師 近著に『水がなくなる日』(産業編集センター)など ▼水を巡る覇権争い 「日本人にとっての水問題は、日本人が水問題の重要性に気づいていないことだ」。外国人ジャーナリストや開発途上国の水支援に関わるNGO職員に何度かこう言われた。実際「あなたにとっての水問題は」と問いかける...論説・視点2018年12月04日
  • 【視点】産科医療補償制度の10年を検証する池下 久弥(産婦人科医、池下レディースチャイルドクリニック院長) 産科医療補償制度は10年前の旧来型スキーム 2009年1月に開始された産科医療補償制度は、間もなく満10年を迎える。この間、制度開始当初の出産育児一時金直接支払制度問題(受取代理制度の復活により改善)、5年目頃の余剰掛け金返還問題(掛け金額見直しにより一部改善)、10年目頃の...論説・視点2018年11月16日
  • 吉田章先生【視点】マイナンバーと被保険者証 東京保険医協会 副会長 吉田 章 被保険者証資格のオンラインでの確認が2020年8月から予定されている。 原則として、被保険者証を使わず、マイナンバーカードのみで窓口での資格確認を行うことになる。その前提として、現在、後期高齢者を除き、世帯単位で付番されている被保険者番号を個人単位化する。 保険者は世帯単位の被保...論説・視点経営税務部2018年08月13日
  • 180525_02_再生可能エネルギー 世界の設備容量の伸び【視点】世界の再エネ発電コスト低下と日本の課題国立研究開発法人 産業技術総合研究所 歌川  学 今世紀後半に人為的温室効果ガス排出をゼロにする「パリ協定」を受け世界の温暖化対策が強化、その柱である再生可能エネルギー(以下「再エネ」)が拡大、世界も先進国も電気の約4分の1が再エネになった。IRENA(国際再生可能エネルギー機関)の再エネコスト低下報告を見ながら、日本の課題を考える。 再...論説・視点公害環境対策部2018年07月10日
  • 180625_02_平井哲史弁護士【視点】患者情報の産業利用を懸念~次世代医療基盤法施行にあたって~ 平井 哲史(弁護士・東京法律事務所)​ はじめに 近年、個人情報の流出が相次いで問題になっているが、そういうなかで個人情報の産業利用を進める法律が2017年4月に成立し、このほど関係政省令が定められ、本年5月から施行された。「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」(以下、「次世代医療基盤法」ないし単に「法...論説・視点2018年06月28日
  • 中村洋一理事【視点】終末期「ガイドライン」を考える 東京保険医協会 理事 中村 洋一 2018年4月の医療保険、介護保険同時改定では、医療介護の連携をさらに深めるように要請され、次いで高齢者の終末期で遭遇する最終段階における医療・ケアで「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の活用を数カ所で促されている。 本ガイドラインに記されている内容は一...論説・視点地域医療部2018年06月19日
  • 180605_02_呉裕麻弁護士【視点】障害者福祉の介護保険化を考える―介護保険優先原則の適用は違法障害者自立支援法違憲訴訟・岡山弁護団事務局長 呉 裕麻 1 はじめに 65歳になるや否や、それまで受け続けてきた障害福祉サービスを一切不支給とした岡山市の処分(以下、「本件不支給決定」という)に対して、岡山地裁は、被告である岡山市に対し、 (1)本件不支給決定の取り消し、 (2)従前の重度訪問介護サービスとして支給されていた249時...論説・視点2018年06月06日
  • 18050515_02_小沢隆一氏(東京慈恵会医科大学教授)【視点】自民党9条改憲案を読む 小沢 隆一 東京慈恵会医科大学教授(憲法学) この文を見て「どうして医大の教授が…」と不思議に思われる方も多いだろうが、私の専門は憲法学であり、大学では教養科目として法学を教えている。先ごろ公表された自民党の9条改憲案について、専門の立場からコメントしたい。 絞り切れていない9条改憲案 3月25日開催の自民党大会では、9条...論説・視点2018年05月15日
  • gra_gingkobi【銀杏並木】裁量労働制問題と診療報酬改定 政府は働き方改革関連法案に関し、裁量労働制の一般職種への拡大を断念した。もともと年収の高い専門職を労働規制から外す高度プロフェッショナル制度を、労働時間が短くなるという報告があるとして、一般職種にも広げようとしていた。その根拠となるデータがあまりにも杜撰なことが判明し、今国会では撤回に追い込まれたのである。 通常勤務と裁量労働...論説・視点2018年04月02日
  • 【視点】過重労働と、医師の働き方を考える全国医師ユニオン代表 植山 直人(うえやま・なおと)   ~地域医療を守りながら、医師が生き生きと働ける環境作りを~ 1.医師の働き方改革について 現在、働き方改革が大きな社会的な焦点となっている。政府は、働き方改革として罰則付きの残業時間規制を行うとしているが、医師に関しては「時間外労働規制の対象とするものの、改正法の施行期日...論説・視点2017年12月05日
  • 【視点】総合診療専門プログラムの審査問題を考える東京保健生活協同組合 副理事長/大泉生協病院 院長 齋藤 文洋(さいとう・ふみひろ) 不可思議な経緯・恣意的なすすめ方に疑問 多くの先生方は今年9月25日に新専門医制度に関わるプログラムの一次審査の結果が発表され、その後都道府県協議会により評価され、二次審査結果が発表されたことをご存知と思います。 このプログラム作成は機構の専門医制...論説・視点勤務医委員会主張・談話2017年11月27日
  • 【視点】健康格差とソーシャル・キャピタルを考える東京保険医協会 政策調査部長 須田 昭夫 巨大な格差が世界を覆っている ●自己責任では解消できない「差」 大企業に利益を上げさせたお零れで景気を回復させようとする〝アベノミクス”は、金融緩和によって円安、輸出増加、株価の上昇をきたし、大企業に利益をもたらした。しかし労働者の4割が非正規労働者となり、年収200万円以下のワーキングプア(...論説・視点2017年11月13日
  • 【視点】公文書は誰のものか―国家の秘密主義から国民主権を取り戻すために―長野県短期大学准教授 瀬畑 源 公文書は「国民共有の知的資源」 行政機関は情報を隠したがる 今年になって、南スーダンPKO日報文書問題、森友学園問題、加計学園問題と、安倍政権を揺るがすさまざまな不祥事が頻発しています。これらは一見すると安倍政権固有の問題のように見えます。不祥事に対して開き直って強弁をくり返す安倍政権の対応には問題があ...論説・視点2017年11月10日
  • 【解説】医療機関における税務調査の現状と国犯法・国税通則法改正の留意点税理士法人コンフィアンス 代表社員税理士/専修大学法学部講師 益子 良一 氏 1.税務調査の現状 (1)税務調査とは 税務調査は大きく分けて、①課税処分のための調査、②犯則事件(犯罪捜査)のための調査、③徴収のための調査がある。 通常行われる税務調査は、①の課税処分のための調査=「質問検査権の行使」で任意調査である。国税通則法「国税...論説・視点経営税務部2017年10月12日
  • 【視点】「こども保険」構想の問題点と社会保険の限界今回の『視点』は社会保険方式はなじまないと批判の多い「こども保険」だ。社会保障と財源のあり方について、伊藤周平先生に見解を求めた。 (1)「こども保険」構想の提言とその背景 2017年3月28日、自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」が、「こども保険」制度の提言案をまとめた。それが自民党若手ホープの小泉進次郎衆議院議員らによる提案...論説・視点2017年10月06日
  • 【視点】安倍改憲阻止の大運動を安倍9条改憲No!「全国市民アクション」を結成 全国九条の会事務局長・東京大学大学院教授小森 陽一 安倍晋三首相による九条改憲を阻止するための、一大署名運動を提起する「安倍9条改憲No!全国市民アクション」結成の記者会見が、9月4日に行われました。 発起人は有馬頼底(臨済宗相国寺派管長)、内田樹(神戸女学院大学名誉教授)、梅原猛(哲学...論説・視点2017年09月19日
  • 須田昭夫副会長●保団連・夏のシンポジウムから●医療情報電子化と遠隔診療を考える 東京保険医協会副会長 須田 昭夫 本年夏の保団連シンポジウムは、「医療情報の電子化の今と未来」と題して7月2日に開かれた。政府は医療・介護分野に、利益を生む「成長産業」をつくることを奨励している。社会保障の費用を削減しながら、そのようなことが可能なのだろうか、誰が費用を負担するのだろうか。医療のICT化、ビッグデータの利活用、人工知能(A...論説・視点2017年09月06日
  • 佐藤一樹先生写真_修正【視点】「医療行為と刑事責任」に関する危険な動き 東京保険医協会 理事 いつき会ハートクリニック 佐藤 一樹 問題の所在 医師の裁量に任された正当な医療行為による過失、すなわち、国家資格として得た社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為で、生命身体に危険を生じ得る行為に関連した過失による死亡や障害に対する刑事責任追及は、やめるべきである、と多くの医師は考えている。 ...論説・視点勤務医委員会医療安全・医師法21条解説・コラム2017年08月25日
  • 【寄稿】国保の都道府県化は加入者の立場で東京保険医協会 政策調査部長 須田 昭夫 日本に住む人は、何らかの公的医療保険に加入しており、「国民皆保険体制」と呼ばれます。公的医療保険の加入者数は、協会健保3,639万人(28.3%)、区市町村国保3,303万人(25.7%)、組合健保2,913万人(22.7%)、後期高齢者医療制度1,577万人(12.3%)、その他11%などとなっています...論説・視点政策調査部2017年08月02日
  • 【視点】政府が進める「働き方改革」の問題点―残業月100時間を容認川人法律事務所 弁護士   川人 博 政府が進める働き方改革の内容は、つぎのような理由から、過労死をなくすことや長時間労働を解消することに実効性があるとは言えず、むしろ、過労死を助長する危険性が大である。 第1に、一カ月100時間近くの時間外労働を容認しており、いわゆる「過労死ライン」の労働を放置することにつながる。ちなみに、電通は、故高橋...論説・視点2017年08月02日
  • 【視点】東京における遠隔「診療」と医療安全臨床医として、最低限の努めを果たせるのか 東京保険医協会 副会長   岩田 俊 患者と同席しての「対面診察」のない遠隔「診療」を模索する動きがはじまっています。 通信速度の飛躍的高速化、機器の小型化と各家庭への普及、データの大容量化による動画の精密化等々により、「デジタル化できる部分」が、地理的、時間的制約を超えて専門的医療を提供でき...論説・視点2017年07月18日
  • 170705_01_障害程度区分認定者の要介護状態区分【視点】障害者の介護「優先」問題を考える日本障害者センター 事務局次長・理事   山崎 光弘 軽度者切り・「自立支援」シフトがもたらすもの 「共生型サービス」導入で危惧される障害者の負担増加とサービスの低下 介護優先を固定化する「地域包括ケア強化法」 現在、介護保険優先原則(優先原則)に基づき、障害者が介護保険制度への移行を強要され、利用料負担が課せられること、支援の...論説・視点2017年07月07日
  • 天笠啓祐氏【視点】種子法廃止がもたらす食と農の危機~日本の食卓から食物の多様性が消える~ 天笠 啓祐(あまがさ・けいすけ) (食と農から生物多様性を考える市民ネット共同代表) 主要作物種子法(種子法)が今国会で廃止された。この法律は、米、麦、大豆の品質を守り、向上させて、安定的に供給することで、日本の豊かな食生活を支えてきたといわれている。 種子法廃止の影響について、長年、食と農から生物多様性の大切さを訴えてき...論説・視点2017年06月26日
  • 地域包括ケア強化法案の中身【視点】“『我が事・丸ごと』地域共生社会”に隠された思惑 「地域包括ケア強化法案」を踏まえて考える日本障害者センター 事務局次長・理事 山崎 光弘 はじめに  2017年5月18日、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(通称「地域包括ケア強化法案」)が参議院厚労委員会で審議入りしました。当初、第193回国会に上程されるのは介護保険法に係る改正案とみられていましたが、実際に提出されたのは31の法律を「改...論説・視点2017年05月25日
  • 【視点】バリアフリー化の推進を協会理事  細田 悟 髄損傷で車いす移動となっている友人から 「今最もバリアフリーが進んでいる場所はどこかわかりますか?」 と問われた。「うーん、デパートかな?」 正解は「車道」でした。  高速道路を含めて日本中に道路網が整備され、自動車に乗りさえすれば、全国どこへでも行け、健常者とほとんど変わらない環境となる。しかし、自...論説・視点地域医療部2017年04月21日
  • 【視点】「拙速な標準化」は医療崩壊を招く―中央医療事故調査等支援団体等連絡協議会発足にあたってー 日本医療法人協会常務理事・医療安全調査部会長 小田原 良治 医療事故調査制度  医療事故調査制度が2015年10月1日より施行されたが、この制度の基本である検討会とりまとめ、省令、局長通知、厚労省Q&Aのいずれにも、「標準化」の文言はない。むしろ、「疾患や医療機関...論説・視点2017年03月02日
  • 田辺 幸雄 弁護士【視点】自主返還の法的根拠を考える 自主返還の法的根拠を考える 江東総合法律事務所 弁護士  田辺 幸雄 1.自主返還のしくみ  個別指導が行われると、概ね2カ月後に個別指導の結果が通知される。同時に診療報酬の自主返還の連絡が行われる。自主返還は、指導月前1年間について、個別指導で不適切とされた事項の全例について保険医療機関が自主点検し、厚生局長宛の...論説・視点2017年02月22日
  • TPP批准阻止集会2016TPPは絶対許してはいけない~真っ先に狙われるのは健康保険です~ 吉田 章 協会理事  衆議院議員会館前のTPP反対グローバルアクション(2016年11月17日)での吉田 章 協会理事の発言から抜粋。  TPPが発効したときには、真っ先に国民皆保険制度が狙われると思います。薬剤価格の決定過程が不透明だとか理由をつけ、その決定に製薬会社が関わり、薬価を吊り上げようとす...アピール論説・視点時局対策2016年12月05日
  • 東大名誉教授・醍醐先生写真【視点】高薬価維持のからくり(下) 薬価を高止まりさせる流通過程 醍醐 聰(東京大学名誉教授) 不正常な取引慣行「仕切価格」  2006年9月、公正取引委員会は「医療用医薬品の流通実態に関する調査報告書」を公表した。この調査は、後発医薬品の使用や医薬品の共同購入など、薬剤費の抑制に大きな効果が期待されている取り組みが進まない背景に、非競争的な取引形態や取引慣行が存在するのではないかとい...論説・視点2016年08月25日
  • 東大名誉教授・醍醐先生写真【視点】高薬価維持のからくり(上) なぜ新薬は高いのか 醍醐 聰(東京大学名誉教授)  C型肝炎治療薬「ハーボニー」は1日1錠8万円、肺がん治療薬「オプジーボ」は年間26回の投与で3,500万円などと、高額の薬剤が話題になっている。米国についで薬の価格が高いといわれるのが日本だ。高薬価維持の仕組みを東京大学名誉教授の醍醐聰氏に聞いた。 患者と保険財政にのしかかる新薬の高額化 ...論説・視点2016年07月25日
  • 都庁画像都知事選挙 7月31日投票 国政が生み出した矛盾と困難の解消も課題  7月31日投開票の東京都知事選挙がはじまった。徹底的な論戦を期待したい。  東京都の2016年度一般会計予算は7兆円を超え、豊かな財政基盤を誇っている。「社会保障の財源がない」の言い訳は通用しない。  東京オリンピック・パラリンピックを口実にした新施設建設・道路・鉄道・駅再開発等の大型開発予算、不要不急の公共事業を見直すな...論説・視点2016年07月25日
  • 須田先生【視点】医療費の財源はある 須田 昭夫(東京保険医協会 副会長・政策調査部長) 日本は医療費の財源があるのに利用されていない 日本人の平均寿命は女性が86.6歳で世界一、男性も世界のトップを争っています。しかし2011年、OECD加盟34カ国のなかで日本は、GDPに対する医療費は20位、人口当たりの医師数は29位でした。WHOは、世...論説・視点2016年06月25日
  • 細田悟勤務医委員長【視点】新専門医制度をめぐって 細田 悟(理事東京保険医協会理事・勤務医委員会委員長・病院有床診部部長) 新専門医制度が2017年4月から実施されるにあたり、ようやくその制度の実態が明らかになりつつある。そして、良識ある医療界の多くから、実施延期や中止を求める声明がでている。それは何故か? 市中病院の機能を低下させ地域医療の崩壊を招く この制度の...論説・視点病院有床診部勤務医委員会解説・コラム2016年06月15日
  • 【視点】小児かかりつけ診療料から見えるもの阪南医療生協診療所 所長 眞鍋 穰 小児医療に関する「要望書」にない、小児かかりつけ診療料の不思議 厚生官僚の傲慢の現れか、子どもとその親を取り巻く状況と小児科医の認識の欠如か? 2016年度診療報酬改定で左表のような要件を満たす場合、小児かかりつけ診療料が算定可能となった。その要件は現在の診療報酬制度改定の常であるが、実は子どもた...論説・視点2016年06月05日
  • 【視点】安倍政権は本気で憲法改正を目指している東京保険医協会 理事 吉田 章 「参院選でしっかり訴える」「在任中に成し遂げたい」  従来自民党は憲法改正を党是としているが選挙の争点に挙げたことはなかった。しかし安倍政権は様相を異にしている。安倍首相はかねてから憲法改正への意欲を示していたが、このところ積極的な発言が目立つ。  今年始めの記者会見では「来たる参院選でしっかり訴えて...論説・視点2016年05月25日
  • 須田昭夫政策調査部長【視点】地域包括ケアと孤独死 東京保険医協会 副会長・政策調査部長 須田 昭夫 「社会保障・税の一体改革」といわれると、消費増税は社会保障に充てるのだろうと思われたが、医療も介護も年金も、削減され続けている。1989年に消費税が導入されて以来、消費税と企業減税は、累積総額がいつも一致している。 世界最長寿国を競う日本は、世界第2位のGDPを記録して...論説・視点2016年04月15日
  • suda16【視点】姿が見えないTPPは闇夜のカラスか東京保険医協会 副会長・政策調査部長 須田 昭夫 大幅譲歩を繰り返した日本政府 2012年12月の衆議院選挙で「TPP断固反対」を掲げた自民党は、わずか3カ月後の13年3月、交渉参加を決定、7月から交渉に入った。その後2年半、交渉が難航するなかで、甘利明TPP担当相は参加国に対して「頭を冷やせ」「ゲームは止めろ」などと...論説・視点2016年01月25日
  • 151005_03白石孝氏【視点】10月実施のマイナンバー制度 どう対応すべきか 白石 孝 (共通番号いらないネット 代表世話人)  10月5日、住民登録をしているすべての日本人と在留外国人に、新たな個人番号が付けられる。  その日が近づくにつれ、政府の動きもマスコミの報道も慌ただしさを増してきた。その典型が2017年4月実施とされる消費税率10%への引き上げに係る軽減策として、個人番号(マイナンバー)カー...論説・視点2015年10月05日
  • 井部 正之  (ジャーナリスト)【視点】廃棄物処理とアスベスト 実態と環境リスク 井部 正之(ジャーナリスト)   はじめに 日本では年間約4,500万トンの家庭ゴミなど一般廃棄物、約3億8,000万トンの産業廃棄物が発生する。それらは収集され、利用可能なものはリサイクルに回され、そうできないものは焼却をはじめとする処理後、最終処分場に埋め立てられる。 そうした廃棄物処理にどの...論説・視点2015年09月15日
  • 東京保険医協会 勤務医委員会委員 佐藤 一樹【視点】非識別化と医療事故調査制度 医療安全を実現するために必要なこと 平成26年度 厚生労働省科学研究費 「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」班員 東京保険医協会 勤務医委員会委員 佐藤 一樹   はじめに 「報告」事例の定義と非識別化した報告書・説明  10月から施行される「医療事故調査制度」の目的は「医療安全の確保」(医療法 第三章 医療の安全の確保 第6...論説・視点勤務医委員会解説・コラム解説・コラム2015年07月25日
  • 高橋 巌(日本大学生物資源科学部教授)【視点】TPP・原発推進と連動したJA・非営利共済事業解体の策動 日本大学生物資源科学部教授 高橋 巌 JA解体は共済事業への攻撃の完成系 2015年4月16日現在、国会では「農協(JA)改革」に関連する法案が審議されている。同法案は、2013年9月の規制改革会議農業WGにおける「農協のあり方」の提起により、2014年5月まとめられた「農業改革に関する意見(以下「意見」...論説・視点2015年04月25日
  •   弁護士/過労死弁護団全国連絡会議幹事長・過労死防止全国センター共同代表 川人 博【視点】過労死を促進する「残業代ゼロ法案」の危険性 弁護士/過労死弁護団全国連絡会議幹事長・過労死防止全国センター共同代表 川人 博 4月3日、安倍内閣は、いわゆる「残業代ゼロ法案」を閣議決定し、国会に提出しました。今開かれている通常国会で成立させる方針です。今回の労働基準法改正案について、政府は、賃金を時間ではなく成果に応じて支払うことで新しい働き方を創出するものである、と...論説・視点2015年04月15日
  • 須田 昭夫(東京保険医協会政策調査部長)談話「投票して民意を示そう」 須田 昭夫(東京保険医協会政策調査部長) 11月16日投開票が実施された沖縄県知事選挙で自民党候補が大敗した。17日にはV字回復が公言された7~9月期のGDPが、前期比年率でマイナス1.6%に落ち込んでいたことを受けて、安倍晋三総理は18日衆議院を解散して12月14日に選挙を行うことを発表した。かねてから、支持率が低下する前に...論説・視点2014年12月05日
  • 大飯原発【視点】司法は生きていた――大飯原発再稼動差し止め判決の意義 弁護士/福井から原発を止める裁判の会弁護団事務局長 笠原 一浩 1.判決言い渡し及びその経緯――司法は生きていた 福井地方裁判所は、去る5月21日、大飯原発3・4号機の運転差し止めを認める歴史的判決を言い渡しました。判決が言い渡された瞬間、弁護団や原告団事務局のメンバーが、それぞれ「差し止め認める」「司法は生きていた」...論説・視点2014年07月25日
  • 福島県福島市飯野町・生協いいの診療所/福島県保険医協会理事 松本 純福島県をおそった太平洋南岸低気圧~震災・原発事故から3年~ 福島県福島市飯野町・生協いいの診療所/福島県保険医協会理事 松本 純 福島第一原発事故から3度目の冬が訪れました。この2月の太平洋南岸低気圧による大雪は避難生活を続けている人々にとってひとしお身に染みたことと思います。 福島県の気候風土は太平洋岸の浜通り・国道4号線や新幹線の縦断する都市部中通り・雪国会津の三地方で大き...論説・視点2014年03月15日
  • 沖縄県保険医協会会長 仲里 尚実【視点】普天間基地は無条件撤去を 普天間基地の県内(辺野古、キャンプ・シュワブ)移設反対は怒涛のごとく広がり、昨年の1月にはオール沖縄の意志となっていました。全県の41市町村長・議会議長が連名で“普天間基地の県外移設”の「建白書」を安倍首相に手渡しました。 参院選でも自民党沖縄県連は“普天間基地の県外移設”と公約して立候補者を当選させました。 「そうは問...論説・視点2014年03月05日
  • 須田 昭夫(東京保険医協会 政策調査部長)【視点】「先進医療」に便乗する民間医療保険 須田 昭夫 (東京保険医協会 政策調査部長) JA共済連は11月7日、「先進医療」にかかわる共済金を、医療機関に直接支払う覚書に調印した。契約相手はがん粒子線治療をおこなう指宿市の医学研究財団である。約300万円といわれる治療費を契約者が一時的に支払う負担が軽減されるという。しかし共済といえども、この覚書は民間医療保険のはじ...論説・視点2013年12月25日
  • 本間 照光  (青山学院大学 経済学部教授)TPP――「共済」で起きたことが全ての分野で起きる 本間 照光  (青山学院大学 経済学部教授) トリックル・ダウン!? 自らが儲けることがみんなのためになる、あまる手からこぼれる―トリックル・ダウン、したたりおちるというのです。トリックル・ダウンでしょうか、それともトリック、だましでしょうか。 自分たちで命とくらしを守り社会を改良することを許さない、儲...論説・視点2013年06月15日
  • 竹内 隆  (ルカ医院/中野区)【視点】憲法96条改定と日本の進むべき道 竹内 隆 (ルカ医院/中野区) 憲法改定への第一歩となる左記の96条改定論議が国会内で声高に行われ、改憲派の政治家達によって着々と進められている。 権力者による立憲主義の否定 制定以来一度も改定されなかった憲法に対し、改憲派の急先鋒である安倍総理はじめ麻生副総理等、憲法制定時の為政者の孫達が改定に向けて動...論説・視点2013年05月25日