「開業医の実態意識基礎調査」から(3) 個別指導―“協会へ相談”が4割超

公開日 2017年02月22日

「個別指導」は増加傾向

 最近5年以内に行政の個別指導を受けたことが「ある」との回答は、13.7%となり、過去4回の調査で初めて10%を超えた。個別指導の内容に納得できたかどうかについては、38.3%が「概ね納得できた」と回答した。経年比較では50.0%(08年)→45.8%(12年)→38.3%(16年)となり、「納得できた」との回答は減少傾向にある。

 個別指導にあたり、誰に相談したかをたずねたところ、「協会に相談」との回答が43.5%で過去最高になった。4年毎の経年比較では15.2%(08年)→32.2%(12年)→43.5%(16年)となり、4割を超える回答者が協会へ相談している。一方、「誰にも相談していない」との回答は45.7%(08年)→40.7%(12年)→24.8%(16年)と減少している。

問18-2.個別指導に当たって、どなたかに相談されましたか

問18-2(個別指導の相談相手)

個別指導に当たって、43.5%の回答者が協会に相談している。
経年比較すると特にこの項目が増加している。この傾向は全国調査と比較して顕著である。

問18-3.個別指導の際、次のことを要望しましたか

問18-3(個別指導の際の要望)

個別指導時の録音を要請している回答者は32.8%であり、経年比較すると増加している(過去調査には、「要望せずに録音した」の項目はなし)。
この傾向は全国調査(10.8%)と比較して顕著である。5.2%は個別指導時に録音を拒否されている。

個別指導時の「録音」「弁護士帯同」が定着

 個別指導の際、「録音を要望し行使した」との回答は27.6%で3割に迫った。保団連全体では10.4%であり、その差は顕著だ。経年比較では4.3%(08年)→20.3%(12年)→27.6%(16年)で、4年毎に大きく増加している。逆に「録音を要望していない」は80.4%(08年)→67.8%(12年)→65.7%(16年)で減少傾向にある。
 個別指導の際、「弁護士帯同を要望し行使した」との回答は8.4%だった。経年比較では0%(08年)→5.1%(12年)→8.4%(16年)と増加傾向にあり、弁護士帯同が徐々に定着してきている。

「個別指導」の相談はぜひ協会へ

 協会は、個別指導時の「録音」と「弁護士帯同」を繰り返し会員に呼びかけてきた。「録音」と「弁護士帯同」が指導官の強権的な言動を防ぐために有効であることが周知され、当たり前のものになりつつある。また、個別指導にあたって「協会に相談する」との回答が4割を超えたのは、協会の帯同弁護士の紹介をはじめとした懇切丁寧な相談対応への信頼の証でもある。
 協会は保険医の生活と権利を守る砦だ。引き続き厚生局の動きを注視し、会員への情報周知に努めていく。「個別指導」でお困りの先生はぜひ協会までご相談いただきたい。

(『東京保険医新聞』2017年2月25日号掲載)