保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

確定申告セミナーを開催―賃上げした事業所に“減税”

公開日 2017年03月02日

所得拡大促進税制 節税のメリットも

 協会経営税務部は2月8日、毎年恒例の確定申告セミナー(個人開業向け)を開催。措置法第26条の適用あり・なしの2コースに分かれ、20人が参加した。講師は保険医サポートセンターの中雅博税理士と平澤康大税理士(いずれも税理士法人第一経理)。分かりにくい医業税制の確定申告のポイントを解説した。

四段階経費率か定額か

 措置法26条とは、保険診療収入が5,000万円以下であるとともに、医業総収入が7,000万円以下であれば、保険診療収入に四段階別経費率を使って所得計算をする特例である。四段階方式か実額方式か、青色、白色を問わずどちらか有利な方式を選択することができる。

個人番号記載なしでも受理

 当期(2016年分)の確定申告書から申告者本人と扶養親族の個人番号の欄が設けられた。個人番号の記載は義務ではないため、記載しなくても税務署では受理される。なお、税務上は以前から「整理番号」で管理され、すでに全国の国税局と税務署をネットワークで結ぶKSK(国税総合管理)システムが稼動しており、マイナンバーにより管理しなくても所得の把握ができる体制は整っている。

給与所得控除の上限引き上げ

 2016年分の所得税における主な改正点として、給与所得控除の上限が給与収入1,500万円超の控除額245万円から1,200万円超の230万円に引き下げられた。他にも、株式等の譲渡所得における課税方式の改組、特定公社債等の課税方式及び一般公社債等の課税方式の見直し、空き家に係る譲渡所得の特別控除などが改正された。

賃上げ分の10%を税額控除

 2014年に創設された「所得拡大促進税制」は、従業員への給与支給額が一定以上増加した場合、その増加した金額の10%を所得税や法人税から「税額控除」する制度。要件は、2016年に支給した給与支給額に対し、①給与総額が基準事業年度となる2013年より3%以上増加している、②給与総額が前年を下回らない、③継続雇用者(雇用保険被保険者)の給与の平均額が前年の平均を超えること―であり、判定のためには2013年と2015年、2016年の給与の集計の計算が必要だ。全ての要件がクリアできれば、2016年と2013年の給与総額の差額の10%、もしくは2016年分の事業所得に係る所得税の20%のいずれか少ない金額が税額控除できるため、節税メリットも大きい。(下図参照)

所得拡大促進税制の概要

 協会では、会員が自身で確定申告書類を作成したが不備等不安な場合に、協会の顧問税理士団が、提出前に確認する個別相談会(有料)を開催している。事務局でも質問に応じているので、経営税務部までお問合せいただきたい。

(『東京保険医新聞』2017年3月5日号掲載)