処方薬をどう選ぶ―後発医薬品の処方に苦心(葛飾)

公開日 2017年03月01日

170217_葛飾支部総会

 葛飾支部は2月17日、支部総会を開催し、会員ら9人が参加した。石垣宏支部長の挨拶の後、「薬剤の処方における算定の留意点について」事務局が解説、後発医薬品の選び方について意見を交換した。

 30日超の長期投薬に関し、病状が変化した際の医療機関の連絡先を周知することが要件の一つに規定されたが、具体的にどのように「周知」すればよいのか質問が寄せられた。多剤投与の問題では、他科の薬も併せて処方してほしいと患者から申し出があった場合の対応についても話題が及んだ。

 また、厚労省は後発医薬品の使用を促進しているが、「実際に後発医薬品によって患者の病状が悪化するようなことがあれば、それは主治医である医師の責任となることを留意しなければならない」との意見が出された。

 一方で、後発医薬品は、先発品と有効成分は同じでも、添加物やコーティングによって効果に差が生じることもあり、その違いは薬価に限るものではなく、「似て非なる」ものである。「実際に『徐放剤』のような薬の溶け出し方が異なるような薬では効果が変わる場合がある。有効成分が同じだからといって、臨床現場では同一の薬とは言えないのが実感だ」との発言があった。

 さらに、後発医薬品を処方する際は、血圧が下がらないなど、気になることがあればすぐに申し出るよう患者に指導しているといった工夫も紹介され、後発医薬品の処方の難しさが浮き彫りになった。

 最後に、石垣支部長が「今後も自由かつ活発に意見を交わし、協会らしい支部活動を進めていきたい」とまとめ、閉会した。

(『東京保険医新聞』2017年3月5日号掲載)