2017年度指導計画―5月24日 集団的個別指導を実施

公開日 2017年05月12日

関東信越厚生局東京事務所は、協会の開示請求に対して2017年度の指導計画と各科別基準平均点数を明らかにした。

今年の集団的個別指導は5月24日に全科を対象に実施される。11月と1月に予備日を設けているが、実施されるかどうかは未定である(表1)。

表1 2017年度 指導計画表(医科)
指導種別 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
集団的個別指導             (○)   (○)    
個別指導 病院        
診療所    
新規指導
(診療所)
           

※○印は実施予定、(○)印は未定

約90分の講習会形式で、厚労省が作成した「保険診療の理解のために」というテキストをもとに行われる。テキストは同省ホームページから入手できる。個別にレセプトおよびカルテの突き合せなどはない。

集団的個別指導は、類型区分毎に分けて、レセプト1件あたりの点数が高い医療機関を対象とする不合理な仕組みである(表2)。

表2 類型区分ごとの各課別平均点数 東京都

類型区分
(診療所)

平均点
(院内処方・院外処方を含む)
基準平均点
(平均点×1.2)
(病院は、×1.1)
集団的個別指導
選定数
内科 (その他) 1,180 1,416 146
(在宅支援診) 1,623 1,948 82
(人工透析) 9,145 10,974 20
精神・神経科 (神経内科、心療内科含む) 1,481 1,777 22
小児科   1,240 1,488 4
外科 (呼吸器外科、
心臓血管外科、
脳神経外科、
小児外科、
肛門外科、
麻酔科含む)
1,340 1,608 8
整形外科   1,288 1,546 25
皮膚科 (形成外科、美容外科含む) 704 845 22
泌尿器科 (性病科含む) 1,094 1,313 0
産婦人科 (産科、婦人科含む) 1,098 1,318 18
眼科   807 968 46
耳鼻咽喉科   1,007 1,208 16
         
一般病院   50,143 55,157 33
精神病院   37,440 41,184 3
臨床研究   61,696 67,866 6
合計 451

注1)平均点は、2016年度診療分から算出されたもの。ただし、何月の診療分を元に算出されたかは、明らかにされていない。 ※関東信越厚生局東京事務所開示資料より協会が作成。
注2)診療所の平均点、基準平均点は院内処方の医療機関と院外処方の平均点数を調整したもので、院外処方の薬剤料も含めて算出されている。したがって院内処方の薬剤料相当分を差し引いたものが院外処方の医療機関の平均点となる。

前年度レセプトの平均点数が類型区分毎に上位8%で、かつレセプト1件あたりの平均点数が類型区分の1.2倍、病院の場合は1.1倍の「基準平均点数」を超える医療機関が選ばれる。「3年」をサイクルとしており、初年度に集団的個別指導の対象となった医療機関は翌年度と翌々年度は対象から外される。

なお、集団的個別指導の件数は、昨年度の580件から129件減の451件と大きく減少している。

新規指導は新たに開業した診療所を対象に4月、6月、7月、9月、11月、2月に実施予定である。

新規指導自体は、開業半年~2年ほどの、ほぼすべての医療機関が対象であり、個々の医療機関に特別な事情があるために行われるものではない。しかし、指摘が多ければ再指導に繋がる可能性もあり、注意が必要だ。

個別指導は、4月と3月を除いた全月で計画されており、再指導、情報提供などの理由で実施される。

指導の場では、特定疾患療養管理料や外来管理加算の指導内容、検査を行う根拠などの記載の有無とその内容が頻繁に指摘されている他、初診時のカルテ記載が希薄であるとの指摘が多く見られる。日ごろから丁寧なカルテ記載を心がけ、備えておくことが重要である。

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(『東京保険医新聞』2017年5月5・15日号掲載)