【主張】法的根拠のない自主返還は跳ね返そう 納得いかない減点は協会にご相談を

公開日 2017年05月15日

東京保険医協会 審査指導対策部長 浜野 博

 今まで研究部に所属して、審査や個別指導問題に対応してきた審査対策委員会が、本年4月1日より研究部から独立し、「審査指導対策部」として新たな部に昇格しました。部長や副部長、部員は委員会からそのまま引き継がれて、今後も会員のためにいっそうの活動ができる体制が整いました。

 保険診療をしている会員にとって、審査(支払基金や国保連合会が実施)や、指導(厚生局東京事務所や東京都福祉保健局が実施)問題は、患者さんの診療・健康にはもちろんのこと、医院の経営、従業員の生活を保障していくために、非常に関心のある出来事です。

 療養担当規則や点数表を順守して請求したにもかかわらず、減点・査定を受けることがあります。このような減点には再審査請求を勧めており、協会経由で提出できます。その際、再審査請求書の書き方や今後のレセプト作成上のアドバイスを書面等で行っています。

 また、支払基金東京支部との懇談を今年2月16日に行いました。いくつかの要望を伝えましたが、特に減点、返戻理由について、今のようにA、Bのような記号だけの表記ではなく、より具体的に通知するよう要請しました。今後も定期的に支払基金や国保連合会との懇談を企画していきます。

 個別指導関連では、患者の勘違いやトラブルを原因とした情報提供に基づき、個別指導に呼ばれた事例は過去にいくつも経験しています。

 個別指導の通知を受け取った者の心理的動揺、不安は筆舌に尽くし難いものです。これは経験してみないと分らないことです。また個別指導で「中断」されると、結果も告げられず、再開もいつになるのか不明で、非常に精神的重圧となり、診療が手につかなくなることもあります。萎縮診療で一番被害を受けるのは患者さんです。このようなことは決してあってはいけません。

 また個別指導後の自主返還を要求されることも、法的根拠を考えれば従う必要はありません。われわれは以前からこの問題に取り組んでおり、顧問弁護士の方たちと対策を検討しています。

 以上、運動の一端を紹介しましたが、部に昇格したことを機に今後も会員の要望に沿うように活動していきたいと思います。

(『東京保険医新聞』2017年5月5・15日合併号掲載)

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