個別指導と税務調査 「質問応答記録書」にご注意(杉並)

公開日 2017年07月31日

170630_杉並支部例会

杉並支部は6月30日、最近の個別指導の動向と税務調査の最新事情をテーマに支部例会を開催し、会員ら15人が参加した。

個別指導の医療機関選定では、保険者からの情報提供によるものが多数見られ、5年間にも及ぶ中断事例もある。協会が毎年実施している開示請求で入手した厚生局東京事務所の最新資料を用いて、事務局が個別指導の勘所を説明した。個別指導時に不備を指摘される主な事項では、症状・所見、患者からの聴取事項のカルテへの記載不備、健診から保険診療に移行する場合の初診料の算定、同一疾患に対する反復初診料の請求等々があることを解説した。

刑事罰を柱とする国税犯則取締法が2017年3月の法改定で、行政法である国税通則法に吸収されたことや、共謀罪法の成立で、国民の節税対策を、当局が脱税の準備行為として犯罪と認定できる可能性が出てきたことが指摘された。今後、税務行政がさらに強権的になる可能性もある。

保険医サポートセンターの奥津年弘税理士は、協会・保団連が作成した『税務調査 心得10のポイント』に沿って、調査官が納税者からの聞き取りを一方的に文書化した「質問応答記録書」には決して押印してはならないと述べ、税理士任せではなく、納税者自身が正当な権利を主張できるよう、基本的な知識を身につけて税務調査に臨んでいこう、と励ました。

(『東京保険医新聞』2017年7月25日号掲載)