公開日 2017年08月25日
対象は定期未接種児〔今年度限り〕
昨年8月からの関西空港や首都圏を中心とする麻しん(はしか)の流行により、東京都内の医療機関ではMR(麻しん・風しん混合)ワクチンの入手が困難となるなど、大きな混乱が見られた。とりわけ、本年4月から小学校に就学する子どもにとって、昨年度中に必要な第2期の定期接種が受けられない状況が心配されていた。
一方で、すでに都内半数以上の区市町では、定期接種のMRワクチンの第1期(1歳児)および第2期の接種が完了しなかった子どもに、独自に任意接種として費用を助成する制度が広がっている。4月からは、新たに「昭島市」と「東久留米市」で同様の制度が発足した(下表)。両市の場合は、昨年の混乱を考慮して対象者や助成期間を限定しての時限措置ではあるが、接種が叶わなかった子どもらを救済する意義は大きい。
東久留米市 | 昭島市 | |
対象児 |
【第1期 未接種向け】 2014年10月1日~2015年9月30日生まれで、2016年度の定期接種期間内に接種が終了しなかった子ども |
【第1期 未接種向け】 2015年4月1日~2016年4月1日生まれで2歳に至った子ども |
【第2期 未接種向け】 2010年4月2日~2011年4月1日生まれで、2016年度の定期接種期間内に接種が終了しなかった子ども |
【第2期 未接種向け】 2010年4月2日~2011年4月1日生まれで、2016年度中に接種できなかった子ども |
|
助成期間 | 2017年9月30日まで | 2018年3月31日まで |
費 用 | 全額助成 | 全額助成 |
回 数 | 1回分のみ | 1回分のみ |
麻しんだけでなく、2012年から2013年にかけての大規模な風しんの流行の経験からも、平時から対策は不可欠である。本来は、定期接種で定められた年齢時に2回の接種を完了すべきところだが、今後もさまざまな事情により定められた年齢時に接種ができない子どもが想定される。
協会では、引き続き未接種児への助成制度が広がるよう、都内の未実施自治体に働きかけていく。
(『東京保険医新聞』2017年8月25日号掲載)