保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

都・国保運営協議会が始動 どうなる広域国保の運営

公開日 2017年09月19日

医療費適正化計画と連動

2014年6月に成立した「医療介護総合確保法」により、来年4月から都道府県が国民健康保険(以下、国保)の責任主体となり、財政運営等に中心的な役割を担うことになった。保険料徴収等の実務は区市町村が行うが、東京都は新たに「国保運営協議会」を立ち上げ、区市町村ごとの被保険者数、所得水準、医療費水準の3要素を勘案し、区市町村国保が都に“上納”する「納付金(分賦金)」額を新たに定めていく。

第1回の国保運営協議会は9月、第2回を11月に開催し、ごく短期間に2018年度からの運営方針を固めるスケジュールだ(下表の右端)。都民に意見を求めるパブリックコメントの実施もなく、12月中に決定した方針だけが示される事態も危惧される。

gra2_170915_02_2018年4月からの関連計画等のスケジュール

注視すべきは、国保会計に対する“一般会計からの法定外繰入額”の今後である。2015年度の実績では、東京都は約61億6,200万円、各区市町村は約1,199億円をそれぞれ一般会計から支出しており、赤字会計の補填や保険料額の軽減などで、国保財政を下支えしている。国は将来的に一般会計からの繰入を解消する意向だが、不足する財源をそのまま保険料に上乗せすれば、都民の生活に重くのしかかることとなる。

「都・国保運営方針」とともに、2018年4月からスタートする「第3期・東京都医療費適正化計画」「第6期・東京都保健医療計画」の検討・策定も急ピッチで進む。いずれも、国の「骨太の方針」等に基づく医療の“効率化”“適正化”を具体化していく流れの一つだが、それぞれの委員会や審議会の出席者からは「国が言うままの医療費・病床削減等は行わず、東京都の地域特性に応じた各種計画の改定を行うべきだ」と、発言に力が入る場面も見受けられる。

小池都知事が目指す「都政の透明化」として、新しい国保運営に関する検討状況についても明らかにすることが求められている。

(『東京保険医新聞』2017年9月15日号掲載)