小児科懇談会を開催 「困った事例」で交流

公開日 2017年11月13日

171025_小児科会員懇談会

協会組織部は10月25日、小児科会員懇談会を開催し、11人が参加した。細部千晴理事の司会進行のもと、はじめに田﨑ゆき理事から「打ちたいのに足りないワクチン、今年もまた…?」と題して、昨今のワクチン供給問題についての話題提供があった。インフルエンザワクチンの不足で、子どもへの接種を希望する保護者と医療者がいるにもかかわらず、肝腎のワクチンが不足している切実な状況が語られた。

参加者からは「現場ではワクチンが不足し、患者を待たせている状況だ。毎年繰り返されるワクチン供給問題を解消するためにきちんとしたシステム作りが必要だ」「ワクチン供給問題の解決に向けて、行政に対する保険医協会からの要請にこれからも期待する」といった声が聞かれた。

知恵を出し合い、解決策探る

つづいて杉原桂会員が、「あなたの悩みはみんなの悩み―小児科診療困ったをもちよろう」をテーマに話題提供を行った。
参加者はふたつのグループに分かれて、それぞれの診療所で抱える課題解決に取り組んだ。

杉原会員は「アイデア出しや問題解決の場では、声の大きな発言力がある人だけが目立ち、一言も声を発さないまま聞いているだけの人もいるが、今回はそれぞれのグループ内で参加者一人ひとりが意見やアイデアを出し合い、他の人と共有化することで、様々な意見をまとめて最終的な解決へといたることが期待できる」と趣旨を説明した。

はじめに、参加者は「親の同伴なしで来院した18歳未満の子どもが、診療やワクチン接種を希望した際にはどのように対応するか?」「時間にルーズな患者さんへの対応に困っている」といった日常診療での疑問や課題を出し合った。
次に、出された課題のなかから解決したいものを選択し、それぞれが思いつく様々な意見やアイデアを積極的に出し合いながら解決策を探った。
グループ内では18歳未満の子どもが1人で来院した場合の対応について、「ワクチン接種には保護者の同意書を必ずとる」「診察までは可能だが、薬の処方は難しい」といった意見や、時間にルーズな患者に対しては、「予約の時間を過ぎたら患者にこまめに電話をする」「毎回、時間を守る大切さを丁寧に伝えて教育する」というアイデアが出された。

終了後、参加者からは「グループワークで、全員が発言する積極的な話し合いを行えたので、初めてお会いした先生とも打ち解けることができ、とても良い機会だった」、「自分では思いつかないようなアイデアを聞くことができ、課題解決に向けて視野が広がった」という声が聞かれた。

懇談のなかでは、細部理事の診療報酬や保険請求などに関する問いかけに対して、参加者から活発な意見が次々と出され、予定時間を20分程度延長して意見を交換した。

(『東京保険医新聞』2017年11月5日号掲載)