保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

世・渋支部例会を開催ー遠隔診療~データ管理や情報漏洩も~(世田谷・渋谷)

公開日 2017年11月30日

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世田谷・渋谷支部は10月27日、支部例会を開催し会員ら10人が参加した。

10月12日に行われた民進党渋谷区議団とのヒアリングで、麻しん風しん対策の充実の他、住民税の特別徴収への切り替えが強要されていることに対し従来どおり普通徴収も認めるよう要望したことを報告した。

個別指導の最新情報について事務局から話題提供があった。新規指導の指導結果のうち1割が「再指導」であり、再指導ではより厳しい個別指導へ移行する。指導での指摘事項としてカルテ記載の不備が多い。特にカルテ記載が求められる点数については記載がないだけで算定要件を満たさないとされるなど、日常からカルテ記載の要点を押さえておくこと、などの注意点を解説した。

新規指導を経験した参加者は「診療日の変更を保健所にだけ提出し、厚生局へ提出しなかったため指摘を受けた」と話し、勤務医の異動届の他、各種変更に関しても厚生局に提出しなければならないこと等を情報共有した。

続いて、東京における遠隔診療について、岩田俊副会長が問題提起した。遠隔診療では対面診療で得られる情報とは異なり、医療の質に違いが生じる点を指摘。また、多忙な人や受診介助が必要な人への遠隔診療の適用に対しては、労働環境や社会システムが受診機会を阻害していることが問題であり、遠隔診療で解消することで対面診療から遠ざけられてしまうことが危惧される。その他、データ管理の責任、情報漏洩の問題に言及し、「問題点を踏まえたうえで利用を検討されたい」と呼びかけた。

参加者からは「録画の有無などの規定がなくネットに情報をさらしかねない」「医師は対面診療で経験を積んでいく。テレビ電話で医師が育つのか疑問だ」「CPAPなどは一定有用であると思われるが、禁煙治療は対面での診療が望ましい」「実際に遠隔診療を行っている側から長所・短所を聞いてみたい」等の意見が出た。

現在の保険診療での取り扱いは、医師対患者(家族)の遠隔診療の評価は「電話再診」でしかない。既に次期改定の議論ではICT化の推進として遠隔診療の活用が挙げられているが、国民医療を充実する観点での議論が期待される。

小林建一支部長が「今後も支部例会を会員同士の日常診療に関する意見交換の場にしたい」と挨拶し閉会した。

(『東京保険医新聞』2017年11月25日号掲載)