保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

2018年度診療報酬の改定率 1.19%のマイナス

公開日 2017年12月26日

本体わずか 0.55%増

政府は12月18日、2018年度の診療報酬改定率を本体部分0.55%増と決めた(医科0.63%、歯科0.69%、調剤0.19%)薬価は1.65%減、材料価格は0.09%減とし、全体の改定率は1.19%のマイナスとなる。第21回医療経済実態調査では、病院全体の利益率がマイナス4.2%となり、「赤字傾向は明らか」となった。全体でのマイナス改定は、深刻な医療機関の経営難に追い討ちをかけるものであり,本体わずか0.55%増の改定では、医療機関の赤字傾向を脱することは、到底困難である。

主な診療報酬改定内容(中医協議論から)

オンライン診察の導入、対面診療よりも低い評価

オンライン診察(遠隔診療)は、対面診療よりも低い報酬設定で、月1回を算定上限とし、現行の電話再診等と区別した報酬を設定する議論が進んでいる。
対象は、「特定された疾患・患者」であり、「一定期間継続的に対面診療を行っており、受診間隔が長すぎない」こと、「事前に治療計画を作成している」こと等が要件となる。初診の患者は、対象には含まれない。

また、オンライン診察による処方せん料の算定については、処方せん原本を患者に送付することで算定可能にする方向だ。

複数医療機関の訪問診療、評価対象拡大へ

在宅患者訪問診療料については、従来は患者1人につき1人の在宅主治医にしか算定が認められていなかったが、これが見直され、他の医師が訪問診療を行った場合も点数を設定、評価する方向で議論が進められている。
しかし、これに伴い、従来の在宅主治医が行う訪問診療料の評価が下がるのではとの懸念もある。

維持期リハの介護保険移行、経過措置「1年延長」

維持期リハビリテーションは、要介護被保険者の疾患別リハビリテーションの算定に関する経過措置期間について、2018年4月1日から、2019年3月31日まで延長する方向で議論が進められている。

7対1、10対1入院基本料を統合・再編へ

入院基本料は、現行の7対1、10対1一般病棟入院基本料を統合・再編し、看護職員配置、平均在院日数を組み合わせた報酬体系に変更することで意見がまとまりつつある。
また、新体系で最も高い評価となる「7対1相当」の重症度・医療・看護必要度の該当患者割合については、「30%以上に設定すべき」と支払側が強く主張している。現在の7対1と10対1の「中間的な水準」の評価を設けることで、7対1から10対1への移行を進める考えだ。

保湿剤の給付制限の動き

医療用保湿剤は、厚労省の資料によると、皮膚乾燥症などに使用されるヘパリン類似物質(ヒルドイドソフト軟膏等)の多くは、25gチューブ4本分程度以下の量が処方されているが、一度に10本分以上処方されていることもあった。
ただ、全身型アトピー性皮膚炎や魚鱗癬などで多量の保湿剤が必要な患者も存在することに留意が必要とした。

健保連側からは「保湿剤が他の外皮用薬や抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合、保険適用から除外してはどうか」との発言もある。
こうした医療用保湿剤の給付制限の動きについては、保団連が12月7日、「保険外しに保険医の約9割が反対」とのアンケート結果を携え、厚労省要請を行っている。

(『東京保険医新聞』2017年12月25日号掲載)