精神科会員懇談会を開催―「地域で活動するほど赤字」

公開日 2017年12月26日

171124_精神科会員懇談会

11月24日の協会精神科会員懇談会には11人が参加。精神科診療への日頃の課題や想いが語られた。

ソーシャルワーカーとして働く参加者は「クリニックではチーム医療で患者と向き合うが、診療報酬の評価が低すぎる。地域とのつながりを大切にしているので地域の集まりに出かけることも多いが、私が仕事をすればするほど赤字になるので大変申し訳なく思ってしまう」と打ち明けた。「小児の精神科では、チームで患者の家族を診ていくことが大切。臨床心理士の役割も非常に大きいにもかかわらず、報酬が少なすぎる」等々、精神科特有の悩みが語られた。

遠隔診療に取り組んでいる参加者からは「ニーズは遠方の方、引きこもりの方、待合室に長くいられない方、著名な方などからある」「患者ときちんと向き合うには対面診療が欠かせないため、病状が極めて軽くて安定している方を対象にしている」「導入にあたっては、来院が必要になった場合は必ず来院することなどの同意書にサインを求めている」などの報告があった。

これには、「大変興味深い」という声や、次期改定で遠隔診療が保険導入されるようだが、「精神科としては安易に乗れない」という意見、患者選択の難しさ、さらには、精神科医としての精神科診療への向き合い方まで様々な意見が交された。

その他、障害年金の診断書について社労士との付き合い方、患者とインターネットについてなど懇談会の話題は多岐にわたった。

(『東京保険医新聞』2017年12月25日号掲載)