国保問題研究会を開催―減免制度も縮小・廃止の恐れ

公開日 2018年02月01日

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国保広域化・東京都国民健康保険運営方針が目指す、自己責任と自己負担強化

政策調査部は12月19日、東京社会保障推進協議会の寺川慎二事務局長と都国保運営協議会委員の和泉なおみ都議を招き、国保問題研究会「広域化でどうなる!?国保制度と国保料」を開催した。

◇寺川氏から

寺川氏は、国保制度改革の沿革と概略を解説し、財政運営の都道府県化の狙いは「国保を“社会保障”から “国保料・窓口負担に見合った給付”として自己責任化・自己負担化させることにある」と述べた。広域化に伴い、一般会計からの法定外繰入が縮小・廃止されれば保険料の大幅引き上げにつながるばかりか、現在区市町村が独自に行っている減免制度などの縮小・廃止にもつながる危険がある。

◇和泉都議から

次いで登壇した和泉なおみ都議からは、11月21日に東京都国保運営協議会が小池都知事に対し答申した都国保運営方針の内容を中心に都政報告があった。

同方針では国保制度を「被保険者間の相互扶助を基本とした社会保険制度」と明記したが、和泉都議によれば「相互扶助」と定義したのは東京都を含めても全国で5道県のみであり、「被保険者間の」とまで踏み込んだのは東京都のみだという。国保法第1条が規定するように、国保は加入者に必要な医療を保障する「社会保障」であり、「相互扶助」の強調は、都の公的責任を放棄して都民と区市町村に負担を押し付けるものと言わざるを得ない。

方針は、一般会計からの法定外繰入金の削減・解消を求めており、仮に区市町村が法定外繰入を行わなかった場合、2018年度の保険料は2016年度に比べて3割増になると試算されている。

東京都が作成した運営方針は「技術的助言」に留まり、法的拘束力はない。寺川氏と和泉都議は、(1)都が定めた運営方針に縛られずに地域の実情に合った対応をするよう自治体へ要請すること、(2)一般会計からの法定外繰入を現在の水準より引き下げないよう自治体への要請を強めること、(3)都独自の財政支援を求める要望を自治体から都に上げさせ、都に主体的な役割を果たさせる取り組みが重要だと指摘した。

すでに国保料の高騰を懸念し、都独自の財政支援を求める意見書を採択した東久留米市や墨田区のような自治体も現れている。国民皆保険制度の根幹を成す国保制度の維持・改善なしに医療保険制度の改善はありえない。国、東京都、各市区町村への働きかけが今こそ必要である。

(『東京保険医新聞』2018年1月25日号掲載)

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