アスベスト研究会を開催―見逃しやすい「じん肺」所見を学ぶ

公開日 2018年02月01日

171218_アスベスト研究会

2017年12月18日、協会公害環境対策部は、長年、職業性肺疾患に携わってきたの藤井正實氏(港区・芝診療所長)を講師に、アスベスト読影研究会を開催。会員ら21人が参加し、じん肺・アスベスト肺の臨床診断を学んだ。

藤井医師は、じん肺の種類と診断方法、労災対象となる合併症について説明。じん肺の種類では、粒状影がはっきりしている「けい肺(遊離珪酸濃度40%以上)」患者はほとんど見かけなくなり、「その他のけい酸化合物」(遊離珪酸濃度40%未満)による「状影は淡く、辺縁が明確でないじん肺」が主流になっているため、アスベスト肺も含め、多くのじん肺患者が見逃されている可能性があるという。 

じん肺所見の有無・管理区分の判定などは、国が定めた「じん肺標準エックス線フィルム」との比較によって行われる。藤井医師は、「標準フィルム」と様々な胸部エックス線写真の症例を対比させ、参加者の質問に答えながら、実際の読影技術を解説した。

(『東京保険医新聞』2018年1月25日号掲載)