厚労省Q&A―介護保険 2018年4月からの紙レセプト請求

公開日 2018年02月06日

2014年8月に公布・施行された「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する省令の一部を改正する省令」等により、国が定めた例外規定に該当する場合に限り、2018年3月末までに国保連合会に届出を行うことで、同年4月以降も引き続き帳票(紙レセプト)による請求が可能だ(→表)。

紙レセプトの請求可否

関連して、厚生労働省から昨年11月7日付で発表されたQ&Aのほか、協会が独自に国保連合会等に確認した内容について、医療機関に関連する設問を中心に以下抜粋する。

なお協会では、昨年12月11付で厚生労働省に要望書を提出し、2018年4月以降に新たに介護保険サービスの提供を始める事業所についても、国保連合会に届出を行うことで紙レセプトによる請求を認めるよう、要請を続けている。

※厚労省「書面による請求に係る経過措置に関するQ&Aの改正について」(2017年11月7日付)等から一部改変

Q1

どのような医療機関が届出を行うのか。

A1

厚生労働省令が定める例外規定に該当し、2018年4月以降も引きつづき紙レセプトで請求を行う医療機関は同年3月末までに東京都国保連合会に届出を行う必要がある。

Q2

現在は「居宅療養管理指導」などの介護保険の請求は行っていないが、将来的(2018年4月以降)に新たにサービスの提供をはじめた場合に、紙レセプトで請求を行う可能性がある場合は、届出を行った方が良いか。

A2

届出を行う必要がある。3月末までに届出を行わない場合は、来年4月以降に紙レセプトでの請求は行えない(一時的な通信障害等を除く)。

Q3

免除届の提出先はどこか。

A3

提出先は「東京都国保連合会」(以下)に1部、郵送で提出されたい。なお、免除届出の用紙が必要な際は、協会にお問い合わせください。

【提出先】〒102-0072 東京都千代田区飯田橋 3-5-1 東京区政会館11階
 東京都国民健康保険団体連合会 介護福祉課
 ※表書きに「介護給付費等の書面(紙帳票)による請求を行う場合の免除届 在中」などと記載

Q4

病院等については、保険医療機関等の指定があったときは、居宅療養管理指導、訪問看護、訪問リハビリテーション等のみなし指定を受ける。居宅療養管理指導のみを行う場合、複数サービスについて指定を受けているが、実際のサービス提供は一種類であるため、紙請求は可能であると解してよいか。

A4

貴見のとおり。

Q5

同一法人で"所在地が異なる"複数事業所の指定を受けている場合で、それぞれ事業所番号が異なる場合、事業所番号ごとにサービス一種類の事業所として紙請求が可能か。

A5

可能である。反対に、同一法人が"同一所在地"において複数の事業所の指定を受けている場合は、それらを一つの事業所として判断する。

Q6

「請求省令・附則第2条」における「…に係る介護給付費等の請求のみを行うもの」とは、指定を受けているサービス種類を指すのか、それとも実際に提供されているサービス種類を指すのか。

A6

実際に提供し、請求を行うサービス種類を指す。

Q7

居宅療養管理指導・訪問看護・訪問リハビリテーションのみなし指定を受けている医療機関が、3サービスとも提供している場合、書面による請求は可能か。

A7

不可。書面による請求はできない。

【編注】支給限度額管理が必要なサービス(訪問看護、訪問・通所リハ等)を1種類のみ提供している場合には、届出を行うことで書面による請求は可能。
ex.〇:「居宅療養管理指導+訪問看護」
     〇:「居宅療養管理指導+訪問リハ」
   × :「居宅療養管理指導+訪問看護+訪問リハ」

Q8

2018 年4月以降に新設された事業所(みなし指定含む)については、請求省令附則第2条における経過措置は一律に認められないということか。

A8

次の設問(介護療養型医療施設)の場合を除き、原則認められない。

Q9

現在紙請求を行っている介護療養型医療施設が2018年4月以降に介護医療院に移行した場合、紙請求を行うことは認められないのか。

A9

2018年3月末までに介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する省令附則第2条第2項又は第3条第2項による届出を行った介護療養型医療施設については、同年4月1日以降に介護医療院を含む他の介護サービスへ移行した場合も、引き続き、経過措置の対象とすることを検討している。

Q10

「請求省令・附則第3条」の取扱いについて、2018年4 月以降に新設された事業所については適用されないと考えてよいか。すなわち、2018年4月1日以降に新設された事業所の場合は、常勤の介護職員がいずれも65歳以上であっても紙レセプトによる請求を行うことはできないということか。

A10

適用されないため、紙請求は認められない。

【編注】「請求省令・附則第3条」…2018年3月末時点で、事業所の従事者の年齢がいずれも65歳以上である場合は、2018年3月末までに届出を行うことで、引き続き紙レセプトによる請求を可能とする取扱い

Q11

「請求省令・附則第3条」の適用となる事業所が2018年3月末までに免除届を提出したが、2016年4月以降に65歳未満の従業者を雇用したため、免除(非該当)届を提出した場合において、その後、当該65歳未満の従業者が退職した場合、再度免除適用となるか。

A11

適用されない。

Q12

例外規定に該当しない事業所や現在も電子請求(オンライン・電子媒体)を行っている事業所は、2018年4月以降は、紙レセプトによる請求は一切認められないのか。

A12

移転や改築工事のほか、以下のように一時的な事情により電子請求が困難な場合には、国保連合会に届出(別添1-4を提出)を行うことで、当該期間に限り紙レセプトによる請求が可能である。

【編注】一時的な事情として例示されている主なケース
▼電気通信回線設備の機能に障害が生じた場合(障害が生じている間に行う請求に限る)
▼改築工事中である施設又は臨時の施設において事業を行っている場合
(改築工事中である施設又は臨時の施設において事業を行っている間に行う請求に限る)
▼事業の廃止又は休止に関する計画を定めている場合(事業の廃止又は休止するまでの間に行う請求に限る)
▼その他、伝送または電子媒体による請求を行うことが特に困難な事情がある場合(当該請求に限る)

(『東京保険医新聞』2018年2月5日号掲載)