保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

新点数諮問案検討会を開催―入院大再編:患者選別強いる「実績」評価

公開日 2018年03月30日

180315_諮問案検討会

病状に見合った治療こそ必要

2月24日、病院有床診部は新点数諮問案検討会を開催し、122人の参加があった。細田病院有床診部長の開会挨拶の後、事務局から外来・入院それぞれの点数を説明した。

外来では、新設された機能強化加算は、地域包括診療加算など特定の点数を届け出ている医療機関のみが対象となり、厚労省が推進する「かかりつけ医機能」に協力するか否かで算定に差を設けた点数である。在宅医療では、訪問診療料が2区分になることや、在宅患者訪問薬剤管理指導料と在宅患者訪問栄養食事指導料に単一建物診療患者が導入されるなど複雑化する。リハビリについては、新設されたリハビリテーション計画提供料1など、介護保険でリハビリを行うためのインセンティブを与える点数がいくつか設けられた。

入院では、一般病棟入院基本料が急性期一般入院基本料と地域一般入院基本料に再編された。療養病棟入院基本料は20対1が基準とされ25対1は2年間の経過措置とされた。また、回復期リハビリテーション病棟は実績指数の有無等で6段階に再編、地域包括ケア病棟は「診療実績の評価」に関わる要件が導入され、評価体系が大きく組み替えられた。回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟ともに在宅復帰率が従来よりも厳しく設定された。

会場からは、「地域包括ケア病棟の在宅復帰率の評価対象に追加される介護医療院は、同法人・同一建物内の地域包括ケア病棟から介護医療院に移った場合でも評価対象になるか」「入退院支援加算に新設された入院時支援加算について、入院前支援を行う担当者を配置するための条件や資格等はあるか」などの質問が出された。

最後に、森本病院有床診部員が、アピール文を読み上げて提案、採択した。

今次診療報酬改定では、入院医療が大再編され、看護必要度、在宅復帰率、アウトカム評価などの「実績」が報酬評価の大きなウエイトを占めるようになり、そのための対応が迫られることになった。これらの要件は患者の選別に繋がりかねない。

病状に見合った治療こそが重要であり、「実績」を診療報酬に反映させるのは廃止すべきであろう。協会は今後も運動を強めていく。

■診療報酬「加算ありき」の今次改定

2018年度診療報酬改定の諮問案が答申されてから、約1カ月が経過した。協会各支部では諮問案検討会が開催されている。会員から寄せられた代表的な意見や質問を紹介する。

<改定内容全般>
・0.55%のプラス改定だと思って期待していたが、算定要件の厳しい加算点数ばかりが新設されている。「加算ありき」の改定であり、末端の開業医にプラス改定の恩恵はない。
・絵に描いた餅の点数が多く、実質的にはマイナス改定に等しいというのが実感だ。
<初診料「機能強化加算」80点>
・算定する患者と算定しない患者を選択して算定することはできるのか?
⇒該当医療機関を受診した全ての初診患者に加算することになり、“選択制”の加算ではない。

<外来における妊婦加算の新設(初診)>
・妊婦の定義は?
・妊婦であることをどのように確認するのか?

<電話再診の見直し>
・「定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できない」とあるが、普段対面で慢性疾患などの定期的な医学管理をしている患者から急性増悪して電話がかかってきた場合でも算定できないのか?
⇒その場合は算定できる。
・改定以前に、オンライン診療をしている医療機関は電話再診に準じて算定していたので影響が大きい。
・患者が求めておらず、また必要もないのに自ら患者に電話をかけ、電話再診を算定する一部のルール違反者がいる。そのために見直しが行われているのではないか。納得いかない。

<ベンゾジアゼピン長期処方の減算規定の追加>
・休薬期間を設ければリセットされるのか?
・用法・用量を変えて処方すれば減算規定には該当しないのか?
・減算対象の具体的な商品名を示して欲しい。

<小児抗菌薬適正使用支援加算(初診)80点>
・算定した初診時から翌日あるいは数日後に症状が増悪。再受診して抗菌薬を処方した場合は取り消さなければならないのか?
・例えば喘息で定期通院して小児科外来診療料を算定している子どもが、急性上気道炎(風邪)や急性下痢症で受診した場合、急性上気道炎等の治療は初めてなので、小児抗菌薬適正使用支援加算は算定できるのか?
⇒この場合、小児科外来診療料は「再診の点数」の算定なので、抗菌薬適正使用支援加算は算定できない。あくまで小児科外来診療料の「初診時の点数」にのみ算定できる。

(『東京保険医新聞』2018年3月15日号掲載)