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東京保険医協会
「必要なのはムチ」旧民間開放推進会議議長代理 鈴木 良男氏、オンライン化で大放言
「(医療機関に)必要なのはアメではなくムチ」「(オンライン化は)出来高払いからの脱却・包括払いへの乗り移り……につながる」「規制改革会議で決まったことは守らせよ」―旧規制改革・民間開放推進会議議長代理の鈴木良男氏(元・旭リサーチセンター会長)が、レセプトオンライン請求断固推進の立場から、大放言を展開している。6月11日付で、メディファクスWEB(有料サイト)の時事解説に掲載されたものだ。
そこにあるのは保険者=営利企業の、あけすけなまでの本音だ。
この中で鈴木氏は、「(オンライン化は)…最終的には出来高払いからの脱却・包括払いへの乗り移りという、医療費の在り方の基本につながる大きな広がりと重さを持ったテーマである」としている。
現行の出来高払い制から「最終的には包括払い制への乗り移り」を目標として、今回の「オンライン請求義務化」政策がかかげられたことがわかる。
また鈴木氏は、「フロッピーディスクに入れただけの電子化では意味が薄い……オンラインにより審査・支払いを直接する意思のある保険者に送られてこそ初めて意義を発揮する」と主張する。
そこには、保険者が直接審査を行うためにレセプト情報を握る―これこそがオンライン化最大の眼目であるという規制改革・民間開放推進会議の考え方が如実に示されている。
さらに同氏の放言は続き、「必要なのはアメではなくムチ」として、厚労省の初診料電子化加算を「アメを掲げる戦略」と批判、オンラインによらないレセプトは受け取らないというムチが必要と主張する。その上で、「金を受け取る人と支払う人がいる場合、支払いのルールを決めるのは支払う人だというのは世の中のルール」と言い切る。公的医療を商取り引きと見なすその主張には、社会保障の理念などかけらもない。
加えて鈴木氏は「カルテの電子化も義務付けの方向に」として、「電子カルテの情報は…国民の共有物となり、医療の発展にどれだけ貢献するか計り知れない」と主張する。
しかし、患者との共有ならぬ「国民が共有するカルテ」とは一体何だろう。レセプト情報を欲する鈴木氏はカルテ情報までも第三者に開示せよと迫る。鈴木氏のいう「国民の共有」とは「保険者、営利企業との共有」に他ならない。カルテ内容の全てが営利企業の手に握られた果てに訪れる「医療の発展」とは何だろうか。想像することもできない。
鈴木氏の念頭に果たして10年先、20年先の国民医療の展望はあるのだろうか。その目には自己負担が払えず受診を控える患者の姿や、入院先が見つからず苦しむ妊産婦や小児救急患者の姿が、そして低診療報酬の中で日々苦闘する医療関係者の姿が、何も写らないのであろうか。
医療現場をまったく知らない、こうした見識の持ち主が国の諮問機関の舵取りを行い、その答申に従い閣議決定―法制化が行われるという、現在の国の在りようそのものが、国民にとっての不幸であるといわざるを得ない。今こそ医療現場からの提案をすべきときである。
