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東京保険医協会

厚生局 2012年度指導計画、各科別平均点数を開示

 関東信越厚生局・東京事務所は、東京保険医協会の開示請求に対し、2012年度指導計画と集団的個別指導の選定基準となる診療科別基準平均点を開示した(表1)。

 しかし、例年は公開されている指導の実施予定件数は「公にすることにより、正確な事実の把握を困難にし、違法・不当な行為を容易にする」といった理由で不開示となった。実施予定件数を開示することが「違法・不当な行為を容易にする」とは到底考えられない。協会として従来通り実施予定件数の開示を引き続き求めていきたい。

表1 2012年度 指導計画

指導種別

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

集団的個別指導

 

 

 

 

 

 

 


(未定)

 

 

個別指導

病院

 

 

 

 

 

 

診療所

 

 

新規個別指導

 

 

 

 

 

 

集団指導

新規登録

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新規指定時

○印:実施予定(関東信越厚生局東京事務所開示資料より作成)

集団的個別指導――5月と10月実施

 「高点数」の医療機関を対象とする集団的個別指導は、第1回目を5月に、第2回目を10月に実施の予定だ(1月実施は未定)。

 指導対象の選定は、診療所の場合、レセプト1件当たりの平均点数が類型区分の平均点の1.2倍(病院の場合、平均点の1.1倍となる)を超え、かつ類型区分ごとの医療機関総数の上位8%に位置する医療機関が対象となる。指導の進め方としては、「基本的には集団部分のみの実施」としている。

新区分に「在宅療養支援診療所」

 今回から内科系の類型区分に、従来の「透析無」「透析有」の他に「支援診」が新設された(表2)。

 「支援診」=在宅療養支援診療所は、高齢の患者が多いうえ、比較的高点数の在宅点数を算定するため、レセプト1件当たりの平均点数が高くなる傾向にあり、従来から類型区分の新設を求める声があがっていた。

 今回開示された「支援診」の基準平均点は1,889点と低く設定されている。これは、支援診の届け出をしていても外来中心に診療している医療機関も含まれていることがその理由と思われるが、在宅患者を多く扱う医療機関が集中的に選定される懸念がある。

 さらに、在宅支援診は内科の医療機関に限られている訳ではないにもかかわらず、「内科」に区分されてしまうことも現状との矛盾といえる。

 なお、この取扱いは、現在のところ「平成24年度分に限り実施」とされ、「平成25年度以降は状況に応じて見直す」とされている。

 また、診療科別基準平均点は、院外処方の医療機関の平均点数に、厚生労働省が独自に計算した「補正平均点数」を加算して計算されているが、その計算方法の詳細は明らかにされていない。

表2 類型区分ごとの各科別平均点数(東京都) ※単位:点

類型区分

平均点
(院内処方・院外処方を含む)

基準平均点
(平均×1.2)
(※病院は、×1.1)

内  科

(人工透析なし)

1,179 

1,415 

内  科

(在宅支援診)

1,574 

1,889 

内  科

(人工透析)

9,372 

11,246 

精神・神経科

(神経内科、心療内科含む)

1,479 

1,775 

小児科

 

950 

1,140 

外  科

(呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、小児外科、肛門外科、麻酔科含む)

1,257 

1,508 

整形外科

 

1,226 

1,471 

皮 膚 科

(形成外科、美容外科含む)

716 

859 

泌尿器科

(性病科含む)

987 

1,184 

産婦人科

(産科、婦人科含む)

993 

1,192 

眼  科

 

696 

835 

耳鼻咽喉科

 

758 

910 

一般病院

 

47,657 

52,423 

老人病院

(老人収容比率6割超の病棟を有する病院)

45,940 

50,534 

精神病院

 

34,536 

37,990 

臨床研修等

 

59,183 

65,101 

※ 基準平均点は、2011年診療分から算出されたもの。ただし、何月の診療分を元に算出されたかは、
 明らかにされていない。平均点は、基準平均点を1.2(病院は1.1)で除して算出した。

※ 関東信越厚生局東京事務所開示資料より協会が作成

個別指導―今年度も「高点数」を対象

 個別指導については、診療所の場合、4月と8月を除き毎月実施される。選定基準については、「被保険者等から情報提供があり、個別指導が必要と認められたもの」等の他に、「2010年度に集団的個別指導を受け、2011年度の実績においても高点数であるもの(上位から)」を対象にするとしている。

 このような「高点数」を理由にした個別指導は、東京では2010年度から実施されている。東京では「高点数」を理由に個別指導の対象となる取り扱いは行われていなかったが、2008年に指導業務が社会保険事務局から関東信越厚生局に移管されたことに伴い、厚生局管内の都県の指導方法を「平準化」する方向付けが進められ、東京の取り扱いも見直された。

 保険医協会は、「高点数」を理由とした個別指導の中止を要望するとともに、医療機関に対し決して萎縮診療に陥ることなく必要な診療は請求し、その内容をしっかりと診療録(カルテ)に記録するよう呼びかけている。指導の通知を受け取った先生は一人で悩まず、まず保険医協会にご相談いただきたい。


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