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東京保険医協会の主張

外来に医療崩壊 引き起こす「5分ルール」は断固撤廃を

 今次診療報酬改定のなかで、いま最も批判を集めているものの一つが、「再診料の外来管理加算」に導入された時間要件=「5分ルール」だ。


 「5分ルール」の導入による外来管理加算の算定抑制により約400億円を捻出し、病院に回すというのが厚労省の目算だ。薬価等の引き下げでは間に合わず、厚労省はいよいよ診察料にまで切り込んできた。その背景にあるものは、「聖域なき構造改革」の名のもとに出された小泉内閣の「骨太方針」であることを忘れてはならない。


 一方、マスコミ報道では、病院勤務医の過重労働の解消に開業医が後ろ向きであるかのような論調が相変わらず見受けられる。4月19日付毎日新聞は「社説」の中で、「厚生労働省は診療報酬の見直しをテコに日本医師会の力をそごうとした。だが、診療報酬の配分を開業医から勤務医に移すための見直しは進まず、医療費抑制のしわ寄せは病院経営や勤務医にのしかかった」などとしている。医療崩壊を引き起こした根本原因は医療費総枠縮小に腐心する国の医療政策にこそあるのに、そこには一切触れず、開業医に見当違いの批判を加えている。国の広報機関かと見紛うばかりだ。われわれはこうした開業医攻撃に断固抗議する。保険医協会は勤務医と連携し、医療の現場から声を上げていくことが何より重要であると考える。


 「5分ルール」導入による医療現場の混乱についての報告も寄せられている。青森、神奈川、京都の各保険医協会が実施した緊急調査によれば、1.厚生労働省は外来管理加算に時間要件を導入した場合に9割は算定可能と中医協に報告したが、実際にはこれを大きく下回る。2.外来管理加算への時間要件導入による財源を勤務医支援等に回したといいながら、200床未満の病院では1千万円を超える減収が3割を超え、対策強化が求められている小児科では減収率10%を超える医療機関が5割を超えており、小児科や中小病院の経営も成り立たなくなる―こうした報告も行われている(保団連刊「新点数運用Q&A・レセプトの記載」5頁)。


 患者1人に5分として1時間に診られる人数は12人、これを超えて外来管理加算を算定した場合は個別指導の対象になるというのが厚労省の見解だ。しかし、これでは再診患者の事実上の人数制限だ。4月以降、待合室に「診察なしでは薬の処方はできません」と掲示する医療機関も増えてきた。ところが、本紙前号でも報じたように、ついに診察室に入ろうとしない患者まで現れた。もはや保険診療としては成り立たない事態だ。「5分ルール」が外来に医療崩壊を引き起こし始めている。


 4月13日、日本臨床内科医会が決議文を発表している。1. 1人1主病で1医療機関が算定では受診制限となり、2. 5分ルールでは医師以外の所要時間はカウントしないとあり、医師と看護師等のコメディカルを含めたチーム医療を否定するものであると、強く反対の意思表明をしている。反対表明はこの他にも各方面から出されている。


 保険医協会は外来管理加算に導入された時間要件を撤廃するよう、断固要求するものである。


東京保険医新聞2008年5月5日・15日合併号より

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