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東京保険医協会の主張

生保患者に先発品使い続けると「保護停止」
差別的施策の見直しは当然

 生活保護者へ後発医薬品の使用を促進させる問題について改めて考えてみたい。


 後発医薬品については、すでに昭和25年に当時の厚生省告示による療養担当規程で、「指定医療機関の医師又は歯科医師は投薬又は注射を行うに当たり、後発医薬品の使用を考慮するよう務めるべきである」としてあり、後発医薬品がこんなに古い歴史をもっていたことに改めて気付く。


 ずっと下って、07年より始まった、政府による社会保障費2200億円削減の補填の拠り所は、薬価の引き下げと後発医薬品だった。薬価引き下げで960億円、後発品の使用促進で220億円が浮く計算だ。


 厚労省は「後発医薬品の使用促進について」と題して07年10月「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を立ち上げた。これは政府の「経済財政改革の基本方針2007」07年6月19日閣議決定)を受けて発足したもので、この間の政府の慌てぶりが目に見えるようだ。

 こうして08年4月1日、厚生労働省社会援護局保護課長による通知で「後発医薬品は先発医薬品と品質・有効性・安全性が同等である。政府は患者負担の軽減や医療保険財政の点から後発品の使用を進めている。生活保護受給者は医療に係る患者負担が発生しないから、後発医薬品を選ぶインセンティブが働きにくい、つとめて後発品を使用するように。なおも正当な理由なく先発品を使用し続ける場合は保護の停止や廃止もある」とし、医療機関に対してはレセプトを調べて後発品の使用状況を確認し、調剤薬局に対しては処方箋1枚につき100円を払って確認するという念の入れ様だった。


 ところが、こうした生活保護受給者への差別ともとれる通知に対し、多くの批判が厚労省に寄せられたため、慌てた厚労省は、4月1日の通知を廃止し、同一の標題で4月30日に新通知を出した。


 新通知では生活保護受給者は先発品の選択は可能となったものの、やはり後発品を選ばせるように、としている。


 およそ日本の医療費3兆円のうち薬剤費は2割(6.4兆円)を占め、このうち後発医薬品は数量で17%でしかない(06年)。後発品の割合が6割前後に達する欧米に比べると著しく低い。政府はこれを2012年までに30%までに高めたい考えだ。そうすることによって5000億円程の医療費削減になると試算している。


 08年4月、診療報酬改訂によって処方箋様式は変更され、「後発医薬品への変更可」の欄が「後発品への変更不可」とされ、今後の後発品の使用増に弾みを付ける狙いだが、効果はどうだろうか。


 なお、前出のアクションプログラムの中で、「後発品は、情報堤供体制について問題があり、現場の医療関係者の信頼が必ずしも高くない」と述べてあり、このあたり厚労省見解の自家撞着ぶりを露呈している。


 そもそも後発医薬品にも品質の差があり、いわゆる「切れ味」や安全性についてエビデンスを再確認する体制になっていないという根本問題がある。これを解決しない限り、後発医薬品の普及は望めないだろう。


 ところで、後発医薬品に対する大病院の医師たちの認識不足、無理解は極めて大きい。02年、当時の小泉首相は国会答弁で「国立病院や国立大学病院などで、もっと後発医薬品を使うべきだ」と言ったが、本当にその気があるのなら、政府はじっくり本腰を入れてやるべきだ。


東京保険医新聞2008年6月25日号より

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