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東京保険医協会の主張
地球温暖化は人類の危険信号
地球大気による温室効果(greenhouse effect)現象は、既に19世紀、フランスのJ・フーリエが発見している。アイルランドのJ・チンダルは、大気中の水蒸気、二酸化炭素、オゾン、メタンが温室効果ガスであることを突き止めている。スウェーデンのアレニウスは二酸化炭素濃度が2倍になると気温が5〜6度上昇するとまで予測した。ところが1940年以降、地球の気温が若干低下したことから「地球寒冷化」説が出され「氷河期が訪れる」とまで心配された。
しかし、81年、米国NASAゴダード宇宙研究所のJ・ハンセンは、地球平均温度が過去100年で0.4度、直近20年弱で0.2度上昇したことを示し、「サイエンス」誌上で地球温暖化説を主張した。88年、米国上院エネルギー委員会における氏の発言をきっかけとして、地球温暖化説は全世界に注目されるようになった。最近では、英国のN・スターンによる「スターン・レビュー(気候変動の経済学)」、米国のA・ゴアが出演したドキュメンタリー映画「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」などによって更なる関心が寄せられている。
地球温暖化による実害としては、@海面上昇による国や地域の水没、A大規模な気象変動、B生態系の破壊や感染症の拡大、などが指摘されている。また、極地の氷床・棚氷が急速に融け始めており、臨界点(tipping point)を超えると急激な気温上昇をもたらすとする予測もある。しかし、これらの諸事実について科学的・定量的評価は必ずしも十分とは言えず、早急なる解析が望まれる。
一方、大気中の二酸化炭素濃度の上昇は疑う余地のない事実である。過去1万年間、270〜280ppmでほぼ一定だったが、産業革命以後わずか200年で100ppm(36%)も上昇し、一昨年(06年)にはついに380ppmを超えた。ただし、温暖化と二酸化炭素濃度との関係、温暖化に寄与するその他の因子についても正確な評価をしなければならない。「地球温暖化」という形で差し迫る地球の危機は、人類が利便性・快適性・経済性を追求し続け化石燃料を欲しいままに消費してきたことの代償である。
ところで、土地や資源をめぐる人類の対立抗争がもたらす悲劇は、長い歴史を経てもなお学習される様子がない。03年に開始されたイラク戦争自体悲劇の繰り返しであり、さらに結果的にも石油価格は高騰を続け、今や「第三次オイルショック(スーパーオイルショック)」の様相を呈し、資源をめぐる局面は一層悪化した。
97年の「京都議定書」採択以降、各国の経済的対立関係は寧ろ鮮明になったといえる。「共同実施(JI)」「クリーン開発メカニズム(CDM)」「排出量取引(ET)」などを内容とする、いわゆる「京都メカニズム」は、各国間の経済調整ルールに他ならず、二酸化炭素削減や地球温暖化抑制に直結する有効な方策とは言い難い。排出量取引による経済的利益を担うEU、バイオエタノールで稼ごうとする米国、先進国と途上国との対立関係など、事態は一層緊張の度合いを増しており、新たな武力構想すら憂慮される。
