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東京保険医協会の主張

各党マニフェスト 確かな目を持って正しい選択を

 解散総選挙に向けて、今後各党がマニフェストを出してくると思われる。中でも医療・福祉政策は国民の関心が高く、選挙の結果に多大な影響を与えると思われるので、各党ともかなりのウエートを置いてくるであろう。果たしてどのような公約を掲げてくるか。ぜひ各党に考えてもらいたいことがある。


 選挙向けの公約となると、どうしても近い将来のことをアピールせざるを得なくなるのは、国民の側にも多大な問題があることは否定しない。各党の支持母体を含め、現在の選挙を左右するといわれている無党派層も、近未来的な利益や幸福を求めて投票行動に走ることを否定しない。それでもあえて、医療・福祉政策には国家百年の計を考えたマニフェスト作りを切に願いたい。


 医療福祉の財源問題や少子高齢化による世代間格差と世代間負担のアンバランスなども確かに重要な問題ではある。医療崩壊をとりあえず食い止めること、年金問題を解決すること、在宅介護や療養型病床群の問題を解決することなどに国民の関心が高いのも理解できる。また医療関係者にとっては、医療費の総枠をどうやって増やすかに関心が高いのも理解できる。そして、それらの問題の解消はおそらく各党工夫を凝らしてマニフェストに盛り込むことであろうし、ぜひ実現させて欲しいことではある。しかしそれらはあくまでも対症療法にすぎず、日本の医療・福祉政策の根本的な道筋を示しているわけではない。


 思い出して欲しい。高度成長期のインフレ時代に、受給する年金が物価高によって目減りするからといって賦課方式に変更し、半永久的に人口は増加するものと見込み、少子高齢化が到来することがわかっていながら全く手を打って来なかったことを。

 思い出して欲しい。医師や病院が増えると医療費がかさむからという近視眼的な理由で医師の養成を減らし、中小病院が成り立たないような保険制度にして中小病院をつぶし、医療崩壊を加速させてしまっていることを。


 繰り返し言う。とりあえず選挙を勝つ為に、小泉改革の失敗を覆い隠すような姑息な解決策をマニフェストに盛り込んで、票を取ろうとすることをあえて否定はしない。支持者層を離反させない為に、教条的に弱者救済には大企業の負担を増やせば解決するというワンパターンのマニフェストを作ることも否定はしない。


 しかし、この先10年、20年、50年という単位で日本国の将来を考えるなら、たとえ一時的に国民に困難や困窮を訴え、国民にとって耳障りな言葉が並んだとしても、きちんとした説明を付記し、将来の日本を造る大局的な医療・福祉政策案をマニフェストに記載するべきではないだろうか。


 そして、国民にも切に願う。目の前の利益追求や過去のしがらみではなく、子々孫々にわたるまでの日本国と日本国民の幸福と繁栄のため、美辞麗句に惑わされることなくマニフェストを見極め、投票行動に結びつけることを。


東京保険医新聞2008年10月15日号より

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