第3回 新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【緊急アンケート】

公開日 2020年06月30日

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速報まとめ 無床診療所(一般診療所)調査結果概要

60%超が外来患者3割以上減

●緊急事態解除後 6月上旬「外来患者・保険診療収入の減少傾向変わらず」

 東京保険医協会は、6月12日に会員医療機関4,833件に第3回「新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【緊急アンケート】」をFAXで送付し、6月19日までに都内930件の医療機関から回答を得ました(回収率19.2%)。

 集計の結果、一般診療所(回答数857件)の90.0%で外来患者数が減少、89.6%で保険診療収入が減少していることが明らかになりました。また、約6割の医療機関で、外来患者数と保険診療収入が3割以上減少していました。外来患者数と保険診療収入が5割以上減少している医療機関は2割を超えました(図1・2参照)。※6月上旬の状況を前年同期と比較し回答

 4月に当会が実施した同内容の調査と比べると、外来患者数と保険診療収入でわずかな差が見られますが、緊急事態宣言解除後も、深刻な「受診控え」が続いています。

   図1、2

●マスク、消毒用エタノール製剤、防護用品 ⇒ 供給状況は改善

 マスクでは5.8%、消毒用エタノール製剤では23.5%、防護用品では59.2%の医療機関が「足りない」と回答しました。「在庫あり」でも「4週間以内に在庫がなくなる」との回答が、マスクで32.7%、消毒用エタノール製剤で52.6%を占めました(図3・4・5参照)

   図3、4、5   

●電話再診 4月と傾向変わらず(図6参照)

 電話再診は53.9%の医療機関が「増えた」と回答しました。

図6

●第2波に備え、医療機関の減収補填を!

 医療機関は、新型コロナウイルス感染患者を受け入れている、いないに関わらず、地域で役割分担をしながら、医療提供体制を担っています。第2次補正予算では、新型コロナウイルス感染患者を受け入れている病院への支援が強化されました。しかし、感染患者を受け入れていない病院・一般診療所への支援(減収補填)は見送られました。

 深刻な受診控えが続く中で、医業経営は危機的状況に陥っています。この状況が続けば、多くのかかりつけ医療機関が閉院に追い込まれ、第2波への備えが困難になります。また、患者さんの慢性疾患の管理にも重大な影響を及ぼすことが懸念されます。

 地域医療を守り、医療崩壊を防ぐために、以下の緊急施策の実現を政府に対して強く訴えます。

 一、医療機関の保険診療減収分について、公費による補填を行ってください。
 一、家賃支援給付金制度の給付対象月を2020年3月からに変更してください。(現行は2020年5月から12月までが対象)

以上

第3回 新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【緊急アンケート】[PDF:1MB](PDF版)