東京保険医新聞企画講演会――嗜癖は自己責任ではない

公開日 2015年07月25日

7月8日、協会広報部はさいとうクリニック理事長/家族機能研究所代表の斎藤学先生を招き「嗜癖(依存症)は自己責任ではない」と題する講演会を開催し、45人が参加した。

斎藤先生は、「ドイツやフランスの精神科学が、戦後アメリカに引き継がれた」など精神科学の専門的な話や自身の診療の経験も交えながら、嗜癖は境界性パーソナリティ障害に対する防御反応であると結論づけた。例えば精神科を受診した過食症の患者の原因として、ホルモンバランス等は副次的なもので、一番の原因は心理的なものであると述べた。

この境界性パーソナリティ障害が形成される原因には、本人の素質と環境的な要因の両方がある。

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また、専門分野である「家族」の機能には、1)生殖と哺育、2)配食、3)弱者保護、4)学習と伝承がある。そして、成育の必要成分として、栄養、関心、安全、刺激、社会化(処罰の受容)、学習と習慣形成を挙げ、これらの欠如がパーソナリティ障害を生むと述べた。

この講演の詳しい要録は8月5・15日合併号に特集として掲載する予定だ。ぜひご一読いただきたい。

(『東京保険医新聞』2015年7月25日号掲載)