ワクチンパレード2014 希望するすべての子どもたちにワクチンを!!

公開日 2015年07月25日

7月3日、協会が賛同するワクチンパレード2014(子ども支援ネットワーク主催)が行われ、六本木・三河台公園から日比谷公園までパレードしワクチン行政の充実を訴えた。

悪天候にも関わらず80人が集い、協会からは拝殿清名会長、須田昭夫・竹﨑三立両副会長、田中眞希理事をはじめ、中野支部幹事の三輪操子会員、呼びかけ人の一人でもある細部千晴理事など約20人が参加した。パレード終了後には、厚生労働省内で記者会見を行い、マスコミ各社を通じてアピールした。

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ワクチン行政に 残る4つの格差

一昨年の風しん流行により、2012年から今日に至るまで44例のCRS児が出生しているほか、今年に入り海外から持ち込まれた麻しんの流行が始まっている。前回パレードで訴えた「国によるMRワクチンの臨時接種」が実施されていれば、それらの事態は確実に防げたはずである。

今回のパレードではさらに1)地域格差(居住地によって異なる助成の有無)、2)経済格差(家庭の経済状況によって接種費用を理由に接種できない)、3)情報格差(ワクチンで防げる病気であることを知らない)、4)施設間格差(ワクチン・同時接種に対する認識の差)の是正が急務であり、何よりも自治体任せにせず国の責任あるワクチン行政の実現を求めた。

B型肝炎、おたふくかぜ、ロタウイルスの早期定期接種化を!

豊島区医師会では、2013年度から継続して区内在住の乳児を対象にB型肝炎ワクチン接種費用を独自に助成する取り組みを行っているものの、自治体による助成は東京都内ではほとんどない。記者会見のなかで済生会横浜市東部病院の乾あやの医師は「性感染症とのイメージが長く残っているが、実際には母子感染(胎内)に加えて尿や唾液、涙や汗により日常生活を送るなかで父子・子ども同士の感染も科学的に証明されており、一刻も早くB型肝炎ワクチンの定期接種化が必要」と訴えた。さらに残るおたふくかぜ、ロタウイルスワクチンとあわせ、ワクチンで防げる病気から子どもを守る社会にするようアピールした。

少なくとも2020年までに風しん・麻しんの撲滅を!

記者会見で細部理事は、2012年度まで実施された第1期~第4期の麻しん・風しん予防接種について、厚生労働省の統計では麻しん269万人、風しん268万人もの未接種者がいる点を指摘。将来的に突発的な流行の際に感受性者となることが懸念され、国が主導して未接種者への積極的な勧奨および不足回数分の接種費用を助成するなどの対策が必要と述べ、「先の風しん流行の失敗を絶対に繰り返してはならない」と訴えた。

厚生労働省と東京都福祉保健局への働きかけ

協会では、4月11日付で厚生労働省および東京都に対して、「20代から40代の全ての成人男女にMRワクチンの接種助成およびCRS児・家族への対策」を求める要望書、さらに2014年10月から定期接種化される水痘・成人用肺炎球菌ワクチンに関するパブリックコメントを6月12日付で提出した。

9月には、毎年行っている東京都福祉保健局への2015年度予算請願に向けた準備を進めるなど、予防接種行政のさらなる拡充を求めていく。

(『東京保険医新聞』2014年7月25日号掲載)