集団的自衛権の欺瞞を暴く 元外務省国際情報局局長・孫崎享氏講演会に78人

公開日 2014年07月25日

講師の孫崎享氏

7月12日、協会広報部は元外務省情報局長の孫崎享氏を招き「戦後史の正体を暴く―解釈改憲をめぐって」と題する講演会を開催し、78人が参加した。

孫崎氏は、集団的自衛権の行使が必要な具体例としてあげられた「米艦による邦人輸送」について、「米国国務省領事部は『危機に於いて我々の優先は米国市民を助けることである。米国政府が雇いあげた非商業輸送手段に、米国市民でない友人や家族を連れ込むことを期待すべきではない』とホームページで掲載しており、安倍首相の出した具体例は非現実的だ」と述べ、「集団的自衛権は日本の防衛とは関係がなく海外で戦争を行うものであり、それを安倍首相が非現実的な事例を挙げて、あえて日本の防衛に結び付けようとしている」と指摘した。

78人が参加した講演会

また、2013年11月にバーミンガム日本外国特派員協会会長が秘密保護法に対して廃案または大幅修正を求める勧告を発表した。日本外国特派員協会がこうした形で勧告を出すのは極めて異例である。しかしある記者は内閣広報室から「勧告は内政干渉である」と言われたため、報道しなかったことを紹介し、「日本の一番の危機は、大手メディアが正しいことを報道しないこと、政権に都合のよい報道をすることだ。大手メディアだけに依存するのではなく、専門家のブログやツイッターなどソーシャルメディアを利用して情報を得ることが大事だ」と述べた。

この講演の詳しい要録は『東京保険医新聞』8月5・15日合併号に特集として掲載される。

(『東京保険医新聞』2014年7月25日号掲載)