保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

【銀杏並木】「またつつかれたらどうする」

公開日 2017年02月22日

gra_gingkobi

 小学校4年生の男児の担任教師が家庭訪問に訪れた。
「息子さんが今日、女の子を殴りました。やめるように言ってください」と言う。
 父親は陳謝して教師を見送り、息子を呼び寄せた。
「いま先生が来たぞ」
「うん、知ってる」
「どうした、何があったんだ?」
「叱らないの?」
「おまえの話を聞かなければ叱るわけにはいかない。どうしたんだ?」
「うーん、あのね、後ろの座席の子が授業中に、僕の背中を鉛筆でいつもツンツンつつくんだ。いくら言っても止めてくれないので、ぶってしまった」のだという。
「そうか、わかった。それで、またつつかれたらどうする?」
「うーんっ、我慢する。つつかないように頼んでみる」
「そうか、がんばれよ」
「うん、でもさぁ」
「うん?何だ?」
「どうして叱らないの?先生は僕の話を聞かなくても、すぐ叱ったよ」
「先生は忙しいからな。あんまり迷惑かけるなよ。自分がしたことが良いか悪いかは、自分で考えなさい。お前に任せる」
「うん、わかった。ありがとう」
「なんだよ、改まって」
「へっ、へっ、へ」

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(『東京保険医新聞』2017年2月25日号掲載)

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