警察・検察への情報提供 患者との信頼関係を大切に(新宿)

公開日 2017年05月01日

170317_新宿支部例会

 3月17日、新宿支部総会を開催し、会員ら15人が参加した。事協会に寄せられた窓口トラブル事例について務局から話題提供した。

 診療中に知り得た患者の個人情報は、患者が同意しない限り、第三者に開示してはならないのが原則だ。ただ、裁判所の令状により患者情報の提供が求められた場合は、即時に対応しなければならない。この場合は本人の同意も不要である。

 警察署や検察庁からの「捜査関係事項照会」や、裁判所からの「送付嘱託」によって患者の個人情報が求められることがある。これは、いづれも任意の協力依頼であり、法的な強制力、罰則等はない。協力するべきか否かは医師の判断による。かかった費用も請求できる。ただ、信頼関係維持の観点から、患者の同意を得たうえで回答した方が良く、電話で照会を受けた場合でも書面で回答するのが基本だ。

 また警察官から、孤独死した患者について問い合わせがあった場合にどう対応するか議論になり、参加者から「たとえ死亡した患者でも、警察からの電話による照会に対して即答しない。どのように悪用されるか分からないから、担当刑事の名前、所属する警察署の電話番号と内線番号等を確認し、警察がどこまで患者の情報を把握しているか、どのような情報を必要としているかを確認したうえで、書面で請求してもらうようにしている」との実例も紹介された。

(『東京保険医新聞』2017年4月25日号掲載)