中野支部例会を開催ー遠隔診療の現状と問題点、都市部での導入に疑問の声(中野)

公開日 2017年12月20日

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11月14日、中野支部例会を開催し、会員ら10人が参加した。
最初に澤江壽夫支部長から「今回は遠隔診療と個別指導について議論を深めたい」と挨拶があった。

続いて事務局から、遠隔診療の現状について話題提供した。1997年に出された通知で限定されていた遠隔診療の対象患者について、2015年通知によりあくまでも「例示」であると示された。これにより、「遠隔診療の実質的解禁」と喧伝され遠隔診療ビジネスが展開されたこと、また、2017年になって厚労省医政局から新たに遠隔診療による禁煙外来および遠隔死亡診断の通知が出されたこと等が紹介された。

医政局からの通知は医師法上の取り扱いで、保険上の取り扱いは保険局の管轄であり、医政局と保険局の取り扱いは必ずしも一致しないため、分けて考える必要がある。

現時点での保険診療上の取り扱いは、電話再診に準じた再診料の算定と、2014年の保険局通知によって処方せん料が算定できることになっている。一方、これまでの個別指導では「電話再診での投薬は認められない」と指導されてきたことなど、矛盾点が指摘された。

参加者からは「業者が示す遠隔診療の費用が意外とかかるようだ」「僻地や離島とは異なり、都市部の患者にとってどこまで有用か分からない」という声が出た。

個別指導の話題では、東京では再指導の割合が多いことや、選定理由として「情報提供」の割合が他県と比べて多いことが開示請求で明確になったとの報告があった。個別指導対策としてカルテ整備の重要性を改めて確認した。

中野支部では引き続き医院経営・診療報酬に関わる情勢検討をすすめ、必要な情報を支部会員に発信していく。

(『東京保険医新聞』2017年12月5・15日合併号掲載)