開業医実態意識基礎調査④ 患者窓口負担増 もはや限界 公的医療の財源「大企業法人税に」回答の5割超える

公開日 2022年04月09日

 患者窓口負担に上乗せする「受診時定額負担」の導入については「反対」31・4%、「どちらかと言えば反対」21・4%で、合計52・8%が反対した(図1)。「賛成」、「どちらかと言えば賛成」は合わせて19・5%だった。新たな患者負担増への懸念は根強い。

 「患者の窓口負担割合をどのようにすべきと思うか」との設問について、子どもでは「0割」66・8%→「1割」20・2%と続き、現役世代では「3割」が60・6%を占めた。高齢者については、「2割」40・1%→「1割」31・7%と続いたが、後期高齢者については約半数の49・7%が「1割」と回答し、全体として「現状維持」を求める回答が多数を占めた。

 75歳以上で一定所得以上の場合に2割の窓口負担が導入された際の影響については、「受診抑制につながる」が60・9%で、「受診には影響しない」の17・1%を大幅に上回り、受診抑制の深刻化に対する危機感が明らかになった(図2)。

 「公的医療保険の財源としてどの負担を増やすべきか」をたずねたところ、「大企業の法人税」との回答が50・4%で半数を超えた(図3)。「富裕層の所得税」25・2%、「大企業の保険料」21・4%と続く一方、「消費税」は前回調査(2016年)の34・4%から20・1%に減少した。また「患者の窓口負担」は13・8%、「被保険者の保険料」は8・6%であった。

 財源を「消費税」や「患者負担」に求める回答は少なく、「大企業」や「富裕層」に求める回答が多い結果となった。窓口負担割合についても「現状維持」を求める回答が多かったことから、「患者や医療機関の負担は限界にきている」との実感が調査結果に表れた。
 


(『東京保険医新聞』2022年3月5日号掲載)