生保患者のオン資導入2024年3月運用開始

公開日 2023年09月27日

 厚労省は生活保護の医療扶助について、現在紙で発行している医療券について、利便性や医療サービスの向上を目的として、マイナンバーカードを利用したオンライン資格確認を導入する予定だ。

 医療扶助における独自のメリットとして「未委託の資格確認の把握」「医療券・調剤券情報および資格情報の一括取得」ができることを挙げている。「未委託の資格確認の把握」については未委託が判明した場合に、医療機関から福祉事務所への医療扶助の利用可否確認を確実に行うことができる。しかし、利用可否確認は従来通り、電話等で行うこととなる。

 2024年2月に検証運用を行い、2024年3月から本格運用を行うとしているが、オンライン資格確認によるトラブルが続いていることもあり、厚労省が7月時点で示したスケジュールからは既に遅れが生じている。

 本格運用開始後でも、被保護者がマイナンバーカードを保有していない場合や、医療扶助のオンライン資格確認が未導入の医療機関・薬局を受診等する場合においては、紙の医療券・調剤券が発行される。また、要否意見書は引き続き紙媒体での運用になる。

 医療扶助と医療保険を併用している被保護者の資格確認を行った場合は医療保険と医療扶助の両方の資格が表示される。今回の医療扶助のオンライン資格確認は外来のみで訪問診療、訪問看護、オンライン診療は、今後対応する予定としている。

 運用にあたっては医療機関ごとにシステム改修が必要となり、補助金が支給される。補助金の実施要綱や交付要綱については今後示される予定であり、分かり次第本紙に掲載する。

(『東京保険医新聞』2023年9月25日号掲載)