心エコー研究会参加記

公開日 2018年06月25日

 

新エコー②

「診療に生かせる実践的企画」

協会 循環器研究会世話人 三原 純司



去る5月27日(日)、本年度の心エコー研究会が開催されました。
私は一通りの経胸壁心エコー検査の技術習得と読影はして来ましたが、今年は、その総復習と確認、エコー機器の進歩の把握、現在の第一線病院のレベルも視察するため初参加しました。
研究会の内容ですが、最初にスライドとシラバスで授業を受けます。講義、監修は元JR東京中央病院副院長、現榊原記念クリニックの羽田勝征先生です。先生のポリシーや考え方を学んだ上で実習に臨みます。実習の技術的指導は榊原記念クリニックおよび同病院の現役バリバリの中堅の検査技師さんです。これをテーマごとに講義・実習を繰り返します。研究会という名ですが、まさに実践的な授業でした。1クール終わる度に、聡明で丁寧なソノグラファーの指導でエコー描出技術が着実に身につきます。
超音波検査において、目標を綺麗に描出し、正確な評価をするには知識、技術、経験が必要です。普段の診療で技師長(超音波検査士・循環器)に任せきりであった自らを少し反省し、技師さんの苦労も分かりました。
インストラクターの女性技師さんたちはよく教育を受けておられる様で、優秀な榊原の精鋭でありながら、さりとて高ぶらずにドクターを立てて下さり、懇切丁寧でした。
このように朝から晩まで心エコー検査漬けになることで、心エコー検査の初心者の先生も1日である程度の画像を撮れ、読めるようになると思います。羽田勝征先生の循環器診療における拘り、考え方の下で循環器診療を支える技師さんたちの技術が身につきます。
今回の参加者は勉強熱心な医師41人と技師さん7人の計48人でした。また、共催のGEヘルスケアジャパン関連の方々とも知り合うことが出来ました。正に開業医・勤務医のための実践的企画でした。
通常、この手の実習込みの講演では、民間の勉強会では半日で20,000円、1日フルで40,000円くらいの実習費が必要です。東京保険医協会ではフル2日間で16,000円とコストパフォーマンスも良く、値段設定も良心的と思いました。東京保険医協会にはこれからもこの価格で維持し、値上げを据え置きしていただくことを希望します。
明日からの診療に生かせる授業でした。ちなみに当院の今年の目標は心拡張能の迅速・正確な評価ができるようになることです。本研究会は循環器を志す技師さんは勿論、今までの復習、日進月歩のハードウエアをみるために、医師にも大いに勧められる実践的な研究会でした。

(『東京保険医新聞』2018年6月25日号掲載)