護身術を学ぼう~女性スタッフにもお奨め!

公開日 2018年07月13日

護身術

サルビア会の防犯・安全講習会

6月14日にサルビア会就労環境部主催の防犯・安全講習会が開催され、会員・医療従事者ら61人が参加した。講師は、慈恵医大総務部渉外室名誉顧問の横内昭光氏。同氏は警視庁捜査一課管理官を定年退職したのち、同大で11年間にわたり患者からの悪質クレームや暴力への対応、教職員からの相談に対応してきた。現在はその経験を生かして全国の医師会や病院、看護協会で講演活動を行っている。
都内私立大学病院本院11施設の2万9,000人の教職員を対象としたアンケートでは、「暴言を受けた」41.5%、「暴力を受けた」14.8%、「セクハラをされた」14.1%であった。そうした体験をしたうちの3.7%が「辞めたい」、0.2%が「死にたい」と思ったと回答している。横内氏は、こうした事態を放置すれば病院は崩壊するとの問題意識から、対策の必要を訴えた。
さらに、院内におけるトラブルは、患者さんとのコミュニケーション不足により起きると指摘、トラブルの予防のため患者目線で改善すべき事項を解説した。また、院内で起きた暴力事件や、悪質クレーム事件を紹介して、備えや対応方を説明した。事態によっては警察を呼ぶことも必要であるとした。
当日のメインとなった護身術では、相手に腕や胸ぐらを掴まれた場合に、振りほどいて身の安全を確保する方法を解説するとともに、その技法を紹介した。参加者は互いにペアを組んで実習した。横内氏の指導どおりにやってみると、確かに相手の拘束から逃れることができた。
医療従事者が辞めたい、死にたいと思っているようでは良い医療はできない。横内氏は、「悪質クレームや暴力への対策を、他人ごとにせずに取り組んでいただきたい」と締めくくった。

(『東京保険医新聞』2018年7月5日号掲載)