[支部地区だより]足立 労務管理のイロハを解説 働きやすい職場とは

公開日 2023年12月11日

 足立支部は11月15日、支部例会を北千住駅前「シアター千住」で開催し、会員ら10人が参加した。bloom総合事務所の加藤深雪特定社会保険労務士が講師を務め、「働きやすい職場環境を実現する労務管理」をテーマに講演した。

 はじめに、10月1日からの新型コロナの特例点数および次期診療報酬改定に向けた中医協での議論内容を、事務局が話題提供した。11月20日に提出された財政審建議では、診療所の報酬単価の5・5%引き下げ、改定率で1%減を求めているが、物価高騰・賃上げに対応するためには診療報酬の引き上げは喫緊の課題である。

 講演では、特定社労士として医療機関の労務にも携わる加藤氏が、採用から退職にいたる労務管理のポイントについて、具体例を交えて解説した。採用活動は、求職行動の動向を注視して時期を決めることから始まっている。たとえば、年度初めに向けて求職活動を始める人が多いなど、タイミングの見極めが必要だ。常時求人広告を出したままにすると、かえってマイナスな印象を与えかねないと指摘した。

 また、加藤氏は、求人票は業務内容や雰囲気が伝わるよう、入職後のイメージがつきやすい内容を心掛けたいと述べた。

 参加者から、やむを得ず退職勧奨をする際に気を付けるポイントや、スタッフが退職届を持参した場合の扱いについて質問があった。それに対して加藤氏は、日々のコミュニケーションはもちろん、やむを得ず退職となった場合も、労使双方が合意を得られるよう十分に話し合うことが重要だと強調した。

 

(『東京保険医新聞』2023年12月5・15日号掲載)