保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

ワクチンセミナーを開催 予防接種の最近のトピックスを学ぶ

公開日 2014年10月15日

9月20日、協会研究部とサルビア会・就労環境部は予防接種講習会を開催し69人が参加した。

講師には川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦先生と、愛知医科大学学際的痛みセンター教授の牛田享宏先生を招いた。岡部先生は、「インフルエンザ・予防接種などに関する最近のトピックス」「子宮頸がんワクチン接種後にみられた疼痛等と積極的勧奨中止の経緯」を、牛田先生は「難治性痛みを有する患者の分析と対応」について語った。

岡部先生は、新型インフルエンザ、今年10月実施の水痘ワクチン、成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化、WHOのワクチン計画、デング熱など最新情報を多岐にわたって言及。

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また、厚労省がHPVワクチンの積極的勧奨を中止した背景や、HPVワクチンの副反応と仮定した場合は1)神経学的疾患、2)中毒、3)免疫反応、4)心身の反応の4つを考えるべきこと、そしてHPVワクチンは病気を防ぐ利益と副反応の存在とのバランスを常に考えることが重要であると強調した。 HPVワクチン副反応 難治性痛みを分析

牛田先生は、痛みという観点から慢性痛治療について言及した。痛みには心理社会的要因があり、痛みの診療では1)生物学的要因、2)心理的要因、3)社会的要因を評価・治療の対象とするべきで、生物学的要因だけを対象とするのは不十分であると指摘。

また、HPVワクチンが原因なのか不明の痛みについては、まず患者と信頼関係を築き、痛みの存在を認めた上で、原因が不明であること、痛みがHPVワクチンであると固執しないこと、痛みがあっても日常生活が送れることに目を向けることを伝えることが重要であると述べた。

参加者からは、「慢性疼痛の治療には生物学的要因だけでなく、社会的心理的要因からのアプローチが必要であることが学べた」「HPVワクチンには副反応の存在と病気を防ぐ利益とのバランスが重要であることがわかった」「水痘と肺炎球菌の2回接種の経緯や医学的見地等が分かり参考になった」等の意見が寄せられた。

(『東京保険医新聞』2014年10月15日号掲載)