定期接種になる水痘、肺炎球菌ワクチン 同時接種の利点などを学ぶ

公開日 2014年07月25日

サルビア会・就労環境部と地域医療部は共催で今年度1回目となる「ワクチンセミナー基礎編」を開催し、65人の参加があった。

須田昭夫副会長の開会挨拶の後、事務局から「都内の成人風しんワクチン助成状況」について報告した。市区町村で助成状況に差があり、23区では接種費用を全額助成している自治体の方が多いが、三多摩地域では自己負担額が発生する自治体の方が多くなることが示された。

続いて「予防接種の最新情報」として、細部千晴理事が話題提供した。予防接種実施規則の一部改正の概要について、同一ワクチンの接種間隔の上限の撤廃、接種間隔の下限の明確化(日本脳炎)など、具体例をあげて解説した。秋から定期接種化される水痘ワクチン(A類疾病)と成人用肺炎球菌ワクチン(B類疾病)については、対象者、接種方法、接種期間等を詳細に説明し、参加者の疑問に答えた。

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成瀬清子理事は、「予防接種の基礎知識」について話題提供した。ワクチン接種時期が遅れてしまった場合の対応、同時接種の利点と進め方、B型肝炎ワクチンの必要性、誤接種を防ぐための対策など、自院の取り組みを交えながら説明した。特に同時接種については多くの誤解が生じているとして、子どもたちを守るために「必要な医療行為である」と強調した。不安を解消するためにも、保護者とのコミュニケーション、十分な説明が大切だと指摘した。

参加者からは「保護者が同時接種について不安を訴えたとき、どう対処したらいいのか」「B型肝炎ワクチンの必要性、定期接種になる水痘ワクチンについてポイントをしっかり理解できた」「『誤接種を防ぐための対策』を聞いて、スタッフとしてしっかり協力して働いていこうと思った」など多くの質問や感想が出された。

森本玄始地域医療部長は閉会挨拶で、今年度、開催が予定されているワクチン関連セミナーについて紹介し、盛況のうちに終了した。秋にはサルビア会、地域医療部の共催で「ワクチンセミナー発展編」が予定されている。

(『東京保険医新聞』2014年7月25日号掲載)