公開日 2014年01月15日
あけましておめでとうございます。皆様方におかれましては素晴らしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。協会は2013年に創立50周年を迎え数々の記念行事を執り行いました。
被災地3協会をお招きしてのシンポジウムでは、協会が協力できる今後の道筋が示されました。初めての試みである東京保険医フェスタは、医療活動交流集会と銘打って会員間の情報交換の場となり、他科の問題に関する情報を得ることができました。また、300余名の会員、家族・従業員の参加を得て「50周年を祝う夕べ」を催しました。イリュージョンのマジックで会場は盛り上がり、盛会のうちに終えることができました。会員諸氏のご協力と関係者各位の奮闘に心より感謝申し上げます。また、「50年史」をご覧いただき、これまでの協会活動に賛同を頂ければと思います。
さてわれわれをとりまく情勢は、まず秘密保護法の成立です。医療界における影響は計り知れません。照会事項に対する回答義務により、医療者側の守秘義務は突破され、患者情報を提供せざる得なくなります。このことにより医療者と患者の関係は崩壊する恐れがあり、むしろ対立する関係になることが危惧されます。医師法と秘密保護法は対峙することとなり混乱が生じるでしょう。科学と化学そして文化の発展を阻害する法律は撤回すべく運動を強めなければなりません。12月8日、関東ブロック9協会は共同で秘密保護法成立に抗議する声明を発表しました。
さらにプログラム法案成立により社会保障解体の道筋が示されました。闇夜の幕開けです。この改悪に対して協会はこれまで以上に社会保障制度を守る運動を粘り強く推進する覚悟です。
そして診療報酬改定の問題であります。医療崩壊を加速度的に進めるマイナス改定は断じて許されるものではありません。国民の健康と安全を守る責務は国にあります。財政面を重視する傾向にある短絡的な政策は、国民の命を危険に陥れるものです。「国民医療の向上をはかる」「保険医の生活と権利を守る」を理念に掲げる協会の立場とは相いれないものであり、われわれは戦わなければなりません。
これに消費税損税問題が重なります。この損税問題を解決するためには産業界と同様に還付を受けられる措置が必要です。ゼロ税率の適用を求めます。国家、領土、国民を守るのは防衛力の増強ではありません。「命を守る健康社会」を創ることこそが大切です。為政者の発想の転換を求めます。
今年、協会の取り組む課題としては、1)災害に備えてのBCPを含めた危機管理体制の立案と構築、2)災害相互援助協定(協会間)の締結を目指す、3)医療事故調査制度創設に対する対策の検討、4)難病患者等患者組織との連帯と障害者自立支援法の充実を求める運動を進める、5)ワクチン問題への積極的な取り組み、6)組織の在り方についての調査・研究(一般社団法人等)、7)東京都職員共済組合障害年金認定に関する事務取扱要領における診療録写し提出の問題―東京都のみならず全国的に拡大する危険性があり看過できない、8)沖縄基地問題―われわれの問題として取り組む。等々ですが、本年度も課題は山積みで、一生懸命課題に取り組む所存です。
本年も会員諸氏へのサービスにより一層努めてまいります。協会活動へのご支援をよろしくお願い申し上げます。
東京保険医協会 会長
拝殿 清名
(『東京保険医新聞』2014年1月5・15日合併号掲載)