保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

ワクチンセミナーに42人 風しんは社会全体で根絶を

公開日 2013年11月25日

参加者の質問に答える細部千晴理事

サルビア会・就労環境部と地域医療部は共催で、今年度2回目の「医師とスタッフが知っておきたいワクチンセミナー」を開催し、42人が参加した。

森本地域医療部長の開会挨拶後、森田事務局員がワクチン行政について、都の妊婦の夫に対する風しん半額助成制度は9月末で終了している状況等を報告した。

丸本サルビア会副部長は、風しん流行の原因として、自覚症状がないままウイルスを拡散してしまうことを挙げ、対策の基本は高いワクチン接種率により地域流行そのものを押さえ込むことであるとした。妊婦が風しんに罹患すると妊娠初期ほど高い確率で出生児が先天性風しん症候群(CRS)を発症するデータや、風しんワクチン接種の行政経緯から、現在25~34歳の女性に接種率が低い状況を示した。厚労省は妊婦とその夫や家族にワクチン接種を奨励しているが、推定感染経路の4割が職場であるデータに鑑みて、それだけでは不十分であると指摘。風しんは他の重大な合併症の恐れもあるため、社会全体が免疫をつけて根絶することが何よりも大切と述べた。

成瀬清子理事

細部理事は、新しく6つの血清型が追加された小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー13)の接種スケジュール変更点について説明。望まれる年齢までに必要な接種を完了するためにも有効な同時接種について述べ、その方法をDVDで紹介した。また、今回の風しん流行時に妊娠した女性が出産する2014年初頭にCRSの増加が予想されることを示し、早期診断・早期治療により障害を最小限にとどめることができるため、医療関係者の意識向上が必要と強調した。

成瀬理事は起こりやすい誤接種の例とその防止策、もし起きてしまった場合の対応について、自院の取り組みを示した。質疑応答後、田中サルビア会部長より閉会挨拶があり散会した。参加者からは、「もっと詳しく知りたい」といった期待の声が寄せられた。協会は今後も工夫を重ねてセミナーを企画する予定だ。

(『東京保険医新聞』2013年11月25日号掲載)