よき“人財”を確保するために 採用のポイントを学ぶ人事労務セミナー

公開日 2014年12月25日

講師の石川恵氏

経営税務部は11月12日、「雇用トラブル回避のカギは『採用』にあり!」をテーマに人事労務セミナーを開催。講師に(株)日本医業総研の石川恵氏を招き、会員・家族・人事担当者ら48人が参加した。

近年、雇用をめぐるトラブルは後を絶たず、協会には「せっかく採用してもすぐ辞めてしまう」「勤務態度が悪く、院長の指示を守らない」などの相談が数多く寄せられている。トラブルを避けるためには、職場環境や労働条件もさることながら、院長が本当に必要とする“人財”を得るために「採用」の見直しが重要である。

講義では、前半で労働契約の基礎知識と求人における留意点(媒体、賃金相場、広告内容など)を取り上げた。多くの応募者を確保できるよう、採用計画は2カ月程度余裕を持ったほうがよいことや、求人広告・内容をよく検討し、求人媒体別の特徴を把握することなどが紹介された。

48人が参加した人事労務セミナー

後半は、履歴書の見本や模擬採用面接ビデオを使いながら、実際の採用を想定したチェックポイントを解説。参加者は熱心にメモを取っていた。

「こういう仕事はできますか?」といった「はい、いいえ」で答えられる単純な質問だけでなく、「もし患者さんから○○という訴えがあったらどうしますか?」等、自分で場面を想定させる質問を取り入れ、仕事に対する熱意をはかる指標とする。短い時間の中で何を聞くか、あらかじめ準備するためにも、事前に履歴書によく目を通しておく。

「院長も、応募者から見られていることを意識して」と石川氏。良い“人財”は、どこの医療機関でも雇いたいと思われるはずだ。確実に自院へ来てもらうためには、書類選考から面接・内定までのスピード感が求められるし、内定後の入職辞退を避けるためには後日のフォローが重要となる。

参加者からは、「面接でこんなことを聞いてもいいのか」など質問が上がり、「具体的・現実的でわかりやすかった」との感想が多く寄せられた。

(『東京保険医新聞』2014年12月25日号掲載)