在宅自己注射指導管理料の導入前の指導回数要件を撤回すること、 並びに血糖自己測定器加算は材料等を支給した数に応じて算定できるよう要望します

公開日 2014年11月28日

2014年11月28日

厚生労働大臣        塩崎 恭久 殿
厚生労働省保険局医療課長  宮嵜 雅則 殿
中央社会保険医療協議会会長 森田  朗 殿

東京保険医協会
会長 拝殿 清名
研究部長 申  偉秀

 

 2014年4月診療報酬改定により、在宅自己注射指導管理料の算定要件に「在宅自己注射の導入前に、入院又は週2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による十分な教育期間をとり、十分な指導を行った場合に限り算定する。また、指導内容を詳細に記載した文書を作成し患者に交付する」と、導入前の指導回数の要件が追加されました。

 患者への十分な教育は必要ですが、外来で「導入前に週2回の受診」と定められたことで、医療現場では混乱が起きています。在宅自己注射の指導において、医学的には導入前に限らず導入後の指導も重要であり、「導入前」と決めることは自己注射指導の実態を無視したものであるといわざるを得ません。さらに、重症により直ちに自己注射を実施すべきであるのに、仕事等で多忙な患者や遠方の病院に通院している患者、若しくは通院自体が負担になっている高齢者等では、2回以上の受診が難しく、従って2回以上の指導も実施できない例も出てきます。週2回の往診・訪問診療等が不可能で指導ができない場合もあり、自己注射が直ちに必要な患者は重症化を招きかねません。6月26日付で当会から同趣旨の要望書を提出していますが、実態と乖離した指導回数要件の撤回をここに重ねて要望するものです。

 また、血糖自己測定を行う患者に対しては、主治医が1ヵ月あたり指示した回数に応じて血糖自己測定器加算の点数が定められています。加算には穿刺針や血糖試験紙等の材料代が含まれており、指示回数分の穿刺針等を医療機関側から支給する必要があります。

 しかし、患者が自己血糖測定に失敗した場合、穿刺針や血糖試験紙等の材料を指示回数分とは別に渡さなければなりません。したがって実際の指示回数よりも多めに支給する場合があり、多く支給した分については点数上評価されず医療機関の持ち出しとなり不合理な取り扱いとなっています。ついては、血糖自己測定器加算を算定する場合は、医師の測定指示回数ではなく、実際に支給した数量も請求できるような算定要件に改めるよう要望します。

一.自己注射指導管理料の導入にあたって、週2回以上の指導の要件を撤回し「導入時の教育は十分に行うこと」という要件に改めること

二.血糖自己測定を行う患者について、医師の指示回数ではなく、患者に実際に穿刺針等の材料を支給した数に応じて血糖自己測定器加算を算定できるよう改めること

以上

在宅自己注射指導管理料の導入前の指導回数要件を撤回すること、 並びに血糖自己測定器加算は材料等を支給した数に応じて算定できるよう要望します[PDF:89KB]