「医療保険制度改革関連法案」の審議が不十分なまま、衆議院厚生労働委員会で採決されたことに抗議します

公開日 2015年04月24日

2015年4月24日

厚生労働大臣 塩崎 恭久 殿
衆議院厚生労働委員 殿
東京選出国会議員 殿

東京保険医協会
会長 拝殿 清名

 

 4月24日、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」(以下、医療保険制度改革関連法案)の採決が、衆議院厚生労働委員会で行われ、一部修正と決議付帯の上、自民、公明、維新各党の賛成多数により、本会議に送られました。

 4月14日の本会議での趣旨説明、17日の委員会、23日の参考人質疑、24日の委員会だけでは、国民生活に重大な影響を与え、しかも多岐にわたる内容を一括した法案について、審議が十分に尽くされたとは到底納得できません。

 このような審議内容で採決が行われたことに、強く抗議いたします。

 医療保険制度改革関連法案には、以下のような内容が含まれています。

(1) 入院時食事療養費の自己負担を一食260円から460円に引き上げるなど、経済的困難を抱えながら病気とたたかっている患者さんをさらに追い込む負担増計画

(2) 安全性、有効性が未確立な医療を「患者の自己責任」の名で広げる「患者申出療養」

(3) 都道府県に公的医療費削減の役割を担わせるとともに保険料引き上げ、徴収強化につながる「国保の都道府県単位化」など

 厚生労働委員会では、負担増によって入院をためらう患者さんが増える懸念や、治療の一環である入院時食事療養の意義について、深く掘り下げられたとは言えません。また、患者申出療養は、本当に安全性・有効性が担保できるのか、万が一患者さんに副作用など不利益が生じた場合はどのように補償するのか、国保の広域化によっても国保料(税)の高騰が解消できないことなどについて、政府は具体的な答弁を行わず、これからの検討課題と答弁するなど、稚拙な法案準備であったことを露呈させています。

 このような法案を、拙速に成立させることは絶対に許されません。

 あらためて、医療保険制度改革関連法案の徹底審議と廃案を求めます。

以上