参議院での医療保険制度改革関連法案の徹底審議・廃案を要望します

公開日 2015年05月21日

2015年5月21日

東京選出国会議員 殿

東京保険医協会
会長 拝殿 清名

 

 5月13日、「医療保険制度改革関連法案(持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案)」が参議院本会議で趣旨説明があり、審議に入りました。 
 同法案は4月28日、衆議院本会議で採択されましたが、衆議院厚生労働委員会での審議は、参考人質疑を除くとわずか3日間(4月17日、22日、24日)で19時間の審議しか行いませんでした。国民生活に重大な影響を与え、しかも多岐にわたる内容を一括した法案について、審議が十分に尽くされたとは到底言えません。 
 そもそも、医療保険制度改革関連法案には、以下のような内容が含まれています。

(1) 入院時食事療養費の自己負担を一食260円から460円に引き上げるなど、経済的困難を抱えながら病気とたたかっている患者さんをさらに追い込む負担増計画

(2) 安全性、有効性が未確立な医療を「患者の自己責任」の名で広げる「患者申出療養」

(3) 都道府県に公的医療費削減の役割を担わせるとともに保険料引き上げ、徴収強化につながる「国保の都道府県単位化」など

 衆議院審議では、「経済的困難を抱えている患者さんが、入院時食事療養費の自己負担があがることで入院をあきらめることにはならないか」、「患者申出療養制度は、安全性・有効性が担保できるのか、予測しなかった医療事故や副作用が起こった場合、それも『患者の責任』とされるのではないか」、「今でも『払えないほど高すぎる保険料』や違法な差し押さえで苦しんでいる国保加入者をさらに増やすのではないか」などの懸念が示されました。しかし、政府は具体的な答弁を行わず、これからの検討課題と答弁するなど、稚拙な法案準備であったことを露呈させています。

 このように国民のいのちと暮らしを根本から脅かす法案を、拙速に成立させることは絶対に許されません。

 参議院において、この法案を徹底審議のうえ廃案とするよう強く求めます。

以上

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