「平和安全法制整備法案」及び「国際平和支援法案」等の採決に反対し、廃案を求めます

公開日 2015年07月29日

2015年7月29日

参議院議員 各位

東京保険医協会
会長 拝殿 清名

 

 貴職におかれましては、日夜国政の重責を果たされていますことに敬意を表します。当会は東京の医師5,400人で構成し、保険医の生活と権利を守り、国民の健康と医療の向上をはかることを目的に活動しています。

 「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」等12法案が、参議院において採決されようとしています。これら法案には、圧倒的多数の国民が反対しています。また、各弁護士会や大多数の憲法学者が憲法違反であると表明しています。8月30日に行われたこれら法案に反対する集会では、12万人が国会を包囲し、全国で数十万の市民らがこれら法案の廃案を求めました。

 参議院での審議では、防衛省が成立後の内部資料を法案提出直後に作成していたことが明らかになりました。また、昨年12月に自衛隊統合幕僚監部の幕僚長が、今秋までの法案成立を米軍幹部に約束していた疑惑が生じています。自衛隊が米軍指揮下に入ること、後方支援(兵站活動)と戦闘行為の境目がないこと、自衛隊員への安全配慮の法律規定がなく米軍への協力が迫られることが鮮明になりました。これは、戦後の安全保障に対する国の考え方を根本的に覆す内容です。

 第二次世界大戦は、全世界で数千万人の犠牲者を出しました。悲惨で愚かな戦争への反省に立ち、戦後日本は平和国家への道を歩んできました。その結果日本は、戦争により他国民を殺傷したこと、戦闘により自衛隊員が亡くなったことは一度もありません。平和国家として貫いてきたこの姿勢を今後も堅持し、積極的に海外へアピールしていくことこそ、世界平和への貢献であると考えます。

 米国ではイラク・アフガニスタン帰還兵の約半数が心的外傷に苦しんでおり、いまなお1年間につき8,000名もの自殺者を出しています。日本でも「インド洋の給油活動とイラク復興支援活動」から帰還した自衛隊員が、既に56名も自殺しています。

 当会は医師の団体として、人間の心と生命を蝕む戦争につながる、これら法案の採決に反対するとともに、その廃案を求めます。

以上

「平和安全法制整備法案」及び「国際平和支援法案」等の採決に反対し、廃案を求めます[PDF:288KB]