川内原発1号機の運転停止と2号機の再稼働中止を求めます

公開日 2015年10月09日

2015年10月9日
 東京保険医協会
公害環境対策部 部長 赤羽根 巖

 

 九州電力は10月2日、川内原子力発電所2号機を10月14日から再稼働させることを原子力規制委員会に報告したと報道されています。

 8月11日に再稼働したばかりの川内原発1号機は、同月21日に復水器トラブルが発生したためフル出力運転を延期し、その原因究明も不十分な状態です。それにもかかわらず、1号機に加えて2号機も再稼働させることは絶対に容認できません。

 本会は、本年7月に1号機の再稼働に対して、以下の問題点を指摘し、再稼働の中止を訴えました。その後も、これらの問題点は全く解決の見込みが立っていません。

1.住民の安全にとって肝心な避難計画において、病院や介護施設などの要援護者の避難計画は10km圏内でも不十分であり、10~30km圏では見通しが立っていません。

2.日本火山学会から「周囲に多数のカルデラを抱え、巨大噴火のリスクがもっとも高い」と、火山対策の審査基準の見直しを求めています。近年、日本列島のみならず、世界規模で火山活動がいっそう活発化しているなかで、国民の不安が増しています。

3.地元の範囲については、福島第一原発の事故の経験から、原発から50km圏内や30km圏内の地域を含む自治体すべてを対象にすべきなどとの意見が出されている中で、再稼働での「同意自治体」が立地自治体と県とに限定されていることにも批判が集っています。

4.運転開始から30年経過した場合、経年化(老朽化)技術評価を実施し、保守管理計画を策定し、当局によって認可されなければなりませんが、川内原発1号機についてはこの審査が終わっていません。

5.原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分地も決まっていません。

 私たちは、いのちと健康を守る医師の団体として、こうした問題点を解決できないまま、強引に川内原発2号機も再稼働させることに強く抗議し、1号機の運転停止とともに2号機の再稼働中止を求めます。

以上

川内原発1号機の運転停止と2号機の再稼働中止を求めます[PDF:114KB]