他医療機関を退院後1カ月以内に算定した特定疾患療養管理料の減点を中止してください

公開日 2015年11月30日

2015年11月30日

東京都国民健康保険団体連合会 
 理事長 福永 正通 殿

東京保険医協会 会長 拝殿 清名
研究部長 申  偉秀

 

初冬の候、日頃より、国民医療の向上に尽力されておられることに敬意を表します。

 さて、当協会会員の医療機関において、特定疾患療養管理料が「減点理由D(告示、通知に合致していない)」を理由にして減点される事が増えています。

 その根拠を調べてみますと、点数表の特定疾患療養管理料の算定要件では「初診料を算定した初診の日又は退院の日からそれぞれ起算して1カ月を経過した日以降に算定する」とされています。さらに退院した場合は「自院から、他院から、いずれの退院であっても1カ月以内の特定疾患療養管理料は算定不可」との解釈が厚労省から示されていることによります。

 この解釈は特定疾患療養管理料の告示の注3「退院した日から起算して1カ月以内の管理費用は入院基本料に含まれる」との規定によるところです。点数表は原則として1医療機関毎の取扱いを示したもので、この告示の通りに解釈すれば「管理費用は入院基本料に含まれる」のですから、入院した医療機関では算定できないということになります。しかし、別の医療機関の外来を受診した再診の患者には、他の要件を満たせば、特定疾患療養管理料が算定できると考えられます。厚労省の解釈に矛盾があると思われますがいかがでしょうか。

 また他院を退院し、入院前に受診して医療機関を再度受診した場合、再入院を防止するために特定疾患の療養上、特に外来受診の留意事項を患者に理解してもらうなど、退院直後の指導管理は重要です。十分な指導管理を行えずに、再入院が増えることも考えられ、、医療費を増加させる要因にもなりうるものです。

 したがって結果として医療費が高くなってしまう患者も出てくるのではないでしょうか。在宅医療では退院後3カ月は「在宅時医学総合管理料・在宅移行早期加算」を算定して円滑な移行を図っていることからも、退院直後の指導・管理は重要と思われます。

 さらに「日帰り手術で1日入院」「入退院を繰り返す」患者が増加傾向にあることに加え、入院していたことを外来の主治医に報告しない患者も多く、混乱を助長しています。

 以上のような状況を鑑み、下記のように要望項目を速やかに実施するようお願いいたします。

 他院から1カ月以内に退院した患者について、算定要件を満たしていると判断し、特定疾患療養管理料の減点を行わないこと。

以上