保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

新役員就任にあたって(ご挨拶)

公開日 2016年04月25日

会長 鶴田 幸男

会長 鶴田 幸男

会長 鶴田 幸男 前任の拝殿会長の後、会長職を仰せつかりました。会員諸氏におかれましてはよろしくお願い申し上げます。

所信を申し上げますと、まず国民皆保険を堅持し、いっそう前進させるために全力をあげることを第一として取り組みます。次に、「骨太の方針2015」に示されている社会保障大改悪の内容とその目的、政府の狙いを一つひとつ明らかにしていきたいと決意しています。

いま日本では年間130万人が亡くなり、そのうち約90万人が医療機関で死亡しています。政府は今後10年間でさらに20万床を削減して、30万人を超える高齢者を在宅医療等に移行させようとしていますが、2025年の死亡者数は160万人と推計されており、このような施策は在宅での孤独死・孤立死を前提としたものに外なりません。

今回の診療報酬改定で、強化型在宅療養支援診療所は、年間20人の看取りが義務付けられ、実際そんな数を看取ったことがないと嘆いている先生がおられました。これからの在宅医療ではさらなる看取りが求められ、重症者であっても病床がなく、多くの高齢者は在宅で亡くなることを強要されそうです。

一方、TPP交渉では各国が自国の利益を追求しているにもかかわらず、わが国は早期決着を押し付けて、無理やり「合意」させました。しかも、「合意の全容」も日本語成文がなく、国民に対して十分な説明もしません。政府・与党サイドでは夏の参議院選挙対策のため、TPPの承認案と関連法成立を秋の臨時国会に先送りすると報道されています。これはTPPの危険性を覆い隠し国民を欺くものです。TPPの国民生活、とりわけ医療への影響についてさらなる情報収集、分析が必要だと考えます。

さらに医療事故調査制度に関して、協会のさまざまな働きかけや啓蒙活動が実を結び、医師法21条問題をはじめとして大きな前進を勝ち取ってきました。これからも会員の皆様と一緒により良い制度にするために取り組んでまいります。

協会の法人化についても研究を進めていきたいと考えます。色々な意見があることは承知しています。マイナンバー法によって法人や人格のない社団等に対してもすでに法人番号が指定され運用が始まっています。

国が個人や団体への統制と情報管理を強化している情勢の下で、法人化について総合的な論議と検討をさせていただきたいと思います。

大まかな問題点について列挙しましたが、会員各位におかれては協会の種々の会合にぜひご参加いただき、よりよき医療と社会を実現するために、ご一緒に行動してまいりましょう。

(つるた・ゆきお=板橋区/鶴田クリニック)

副会長 岩田 俊

副会長 岩田 俊

副会長 岩田 俊 副会長をさせていただくことになりました。今回ほど何かの役を引き受けるのに「恐ろしさ」を感じ躊躇したことはありません。

矢継ぎ早に、戦後の立憲政治を否定する悪法をくりだす安倍政権に振り回され、収束のめども立たない福島がありながら原発再稼働をするとか、沖縄県民の総意が明瞭なのに辺野古に新基地をつくるとか、当たり前の理性が通用しないことがまかり通っています。

戦後の保険医療もまた、大きな変化の潮目になっています。いのちの分野まで破壊を許すことは断じてできません。まっとうな臨床を守ろうとしている会員の皆さんの誠意を汲み上げることに、全力を尽くしたいと思います。

(いわた・しゅん=渋谷区/はたがやメンタルクリニック)

 

副会長 田中 眞希

副会長 田中 眞希

副会長 田中 眞希 「受診は一回のみ、再診は認められない契約です」。海外旅行者を診察した際、保険会社からそう言われた経験があります。

こうした任意保険制度では常に煩わしい確認(契約内容、請求方法など)が求められ、必要な診療を行えない状況に直面することもあるでしょう。

一方、国民皆保険制度は国民の健康を守るのみならず、医療を提供しやすくし、その結果、医師の仕事に充足感を与えてくれるのではないでしょうか。

国民皆保険制度の存続危機のなか、協会に求められる仕事は多々ありますが、会長を裏方として支え、親しみやすい協会になるよう努めて参りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(たなか・まき=中央区/田中まき整形外科)

(『東京保険医新聞』2016年4月25日号掲載)