東京反核医師の会 総会・記念講演――脱原発への道筋を示す

公開日 2013年03月25日

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東京反核医師の会は、3月2日、東京歯科保険医協会会議室で総会・記念講演を開催。28人が参加した。

記念講演では、「2013年、新政権下での核廃絶・脱原発運動の推進―その課題と展望」と題し、安斎科学・平和事務所所長・安斎育郎氏を講師に招いた。安斎氏は、冒頭で「一般市民は放射線のリスクについては非常に関心があるが、なぜ地震多発国の日本に原発が54機も作られたのかにあまり関心がない。理科の勉強だけでなく社会の勉強も大事だ」と発言。

28人が参加した東京反核医師の会総会・記念講演会 日本に原発が54機も建設された理由として「①アメリカの対日エネルギー戦略、②その戦略を受け入れた日本政府、③日本政府と協力した電力資本、④原発が安全であるとお墨付きを与えるために作られた原子力安全委員会や保安院などの官僚機構、⑤原発は安全であるとの物語を書いた御用学者といわれる専門家、⑥その物語を安全神話として報道したマスコミ、⑦補助金目当てに原発誘致を推進した地方自治体、⑧地方自治体の中で原発推進の役割を担った住民、⑨原発の歯止めにならなかった司法」を指摘し、「これら9つの仕組みを変えない限り、放射線をいくら怖がっても原発はなくならない」と述べた。

放射線の危険性について、「人工的な放射線をできるだけ浴びないようにするのが放射線防護学の基本原則である。しかし、過度に放射線を恐れてしまうと被災地の生活が成り立たなくなってしまう。放射線に対して理性的に対応する、放射線リテラシーを持つことが大事である」と強調した。

講演終了後、東京反核医師の会、第25回総会が開かれ、13人が参加。2012年度の活動報告や、2013年度の活動方針を決めた。