再び核の被害者を作らせない――東京反核医師の会が総会・記念講演会

公開日 2014年02月15日

講師の伊藤真弁護士
36人が参加した東京反核医師の会講演会

東京反核医師の会は、2014年2月3日、第26回総会・記念講演を東京保険医協会セミナールームで開催。36人が参加した。

記念講演は、伊藤真弁護士(伊藤塾塾長・日弁連憲法委員会副委員長)を講師に、「自民党改憲草案の検証~解釈改憲や秘密保護法案等にも触れながら~」と題し行われた。

36人が参加した東京反核医師の会講演会 伊藤氏はまず、「どんなに素晴らしい目的においても、人間の命を目的達成のための道具にしてはならない。人間は決して戦争をしてはならないのだ」と訴えた。

そして日本国憲法について「人間は情報操作、場の雰囲気、目先の利益に惑わされ、間違いを犯すことがある。今ではファシズムの権化との評価が定着したナチスは、当時は熱狂的な国民的支持を集めていた。しかしアウシュビッツで多くのユダヤ人をガス室に送っていた。これは多数意見を単純に依拠することの危うさを示す」と指摘。「憲法は多数派による民意に依拠した権力行使から、一人ひとりが人間として尊重されるうえで必要不可欠な人権、平和を守るもの。しかし自民党改憲草案は個人よりも国家を大切にし、憲法を国民支配のための道具に変質させる」と批判した。

(『東京保険医新聞』2014年2月15日号掲載)