保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

来年度都予算に望む

公開日 2000年09月25日

9月から障害者医療費助成制度(マル障)が改定された。住民税課税者に対しては、国の老人医療とほぼ同じ負担となり、都の負担は大幅に軽減される。2000年度予算(本年度予算)では、マル障など東京都医療費助成制度全般に渡り引下げられた形となり、福祉が大幅に切り捨てられた。福祉切捨ての影響額は450億円、経過措置終了後(マル福は6年)は、年間1000億円に及び、180万人の暮らしを直撃する。

2000年度予算について、都は、「投資的経費は92年度の約2兆円のピーク時以来低下しており、緊縮型の予算」と説明した。しかし、99年度最終補正予算として大型開発予算を計上し、2000年度予算と合わせると、投資型経費は1兆円を超え、例年とほぼ変わらない開発型予算となっている。補正予算という型で予算を投入し、結果として例年通りの開発型予算とするなど、都民の目をまるで欺くような予算となっている。一方で、歳出の削減は専ら福祉などの切り捨てであり、都民の生活・健康にしわ寄せされる予算となった。

これらを踏まえ、協会は7月18日に、石原都知事宛に2001年度東京都予算等に関する請願書を提出し、8月24、30日に東京都福祉局、衛生局などに要請を行った。この懇談では低所得者や障害者など、弱者に冷たい都の姿勢が改めて浮き彫りとなった。マル障では、所得制限の強化により、子どもが障害者であっても、所得制限のため助成を受けられなくなるという事態が生じるにもかかわらず、これへの配慮もしない旨回答した。マル福に至っては、「マル福が実施された1969年以来、医療保険は充実してきている。今回の一部負担の見直しは、負担の公平という都の方針を明確にしたもの」などと説明している。都民は雇用や老後に対する不安を抱えている。その不安に対して、都民の立場に立ってみればどのように対応すべきか自ずとわかってくるのではないだろうか。

都は、臨海副都心有明北地区の埋め立てについて、運輸省の認可が下りたこともあり、臨海副都心の開発をいっそう強めようとしている。東京ER構想では、都立病院について、経営形態も公的責任を放棄し、不採算医療切り捨ての危険性をはらんでいる民営化を視野に入れて検討する方針を進めている。

大型公共事業にあてるための一般財源を確保する予算配分。そのために福祉など他の歳出を削減し、都民サービスを低下させ、医療面では都民に負担を押し付けるのは納得できない。医療・福祉に対する都の公的責任を明らかにすると共に、医療・福祉切捨てに歯止めをかけられるよう、運動を進めていきたい。

東京保険医新聞2000年9月25日号より